「血なまぐさい粛清」経て復活…党重要部署を金与正氏が掌握か

北朝鮮の朝鮮労働党が最近、司法・公安機関を統括する「組織行政部」を党中央委員会に新設し、金才龍(キム・ジェリョン)前内閣総理を部長に任命したとの情報が出ている。

金才龍氏は8月13日の党中央委員会第7期第16回政治局会議で内閣総理を解任されると同時に、党副委員長と党中央委の部長に就任したが、担当部署は明らかにされていない。

一方、韓国紙・朝鮮日報は8月21日、対北消息筋の情報として、北朝鮮が「司法・検察・保衛(秘密警察)・安全(警察)関連組織を担当する組織行政部を労働党中央委に新設するもようだ。7年前、金正恩が叔父である張成沢(チャン・ソンテク)前党行政部長の処刑に伴って解体した行政部を、名称だけ変えて復活させるもの」と報じていた。

これに加え、韓国デイリーNKは今月3日、北朝鮮の内部情報すの話として、組織行政部を新設した目的は「司法・検察・保衛・安全の各機関を掌握・指導する機構を通じて規律と秩序を統制し、党の唯一的領導体系を保障するところにある」と伝えた。

デイリーNKはさらに、同部のトップに金才龍氏が任命されたとし、その背景について「金才龍は党の政策を正しく把握して展開することの出来る、高い党性(忠誠心)を身につけたイルクン(幹部)でありながら、司法や検察、保衛、安全の各機関と何ら関わりを持ってこなかった純粋(ニュートラル)な人物だから」(消息筋)であると伝えた。司法・公安分野の利権や派閥争いと無縁である点が評価されたと見られる。

かつて張成沢氏は司法・公安機関の上に君臨し、政敵の除去や利権の掌握など、絶大な権力を振るったとされる。しかし、その権力の大きさが仇となり、金正恩氏によって抹殺されることになったのだ。

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張成沢氏が処刑された当時、党行政部は血なまぐさい粛清の舞台になった。張成沢氏に先立って逮捕された李龍河(リ・リョンハ)党行政部第1部長と張秀吉(チャン・スギル)同副部長は、きわめて残忍な方法で処刑された。

平壌郊外にある姜建(カンゴン)軍官学校の練兵場で行われた公開処刑には、党や政府の幹部ら数百人が集められたという。処刑に用いられたのは、大口径の4銃身高射銃である。2人の処刑を見せられた幹部たちはしばらく、食べ物も喉を通らなかったと言われる。

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幹部たちは今も、その光景を忘れていないだろう。組織行政部の復活を受けて、彼らはどのような思いを抱いているのだろうか。

果たして、極めて強力な組織を任された金才龍氏が、張成沢氏の二の舞になる危険性はないのか。

これについてデイリーNKの情報筋は、「新しい組織行政部は過去に張成沢が君臨した部署と似た役割を担うが、異なるのは金才龍の権限が限定されていること」だとしながら、「金才龍は部内で提起されたすべての問題を金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長に報告することになっている。またその中のごく一部、1パーセントほどの特異な問題について金正恩党委員長に直接『1号報告』を上げることになっている」と説明した。

つまり、組織行政部は実質的に、金正恩氏の妹である金与正氏が掌握し、金才龍氏は彼女の手足に過ぎないということだ。組織行政部のような重要かつ危険な機能は、血を分けた家族以外に任してはならない――金正恩氏も本人なりに、張成沢事件からこのような教訓を得たのかもしれない。