「現場を見た男女は気絶した」金正恩、北部国境で軍人虐殺

北朝鮮の北部国境地帯で、新型コロナウイルス対策の落ち度を指摘された複数の軍人らが、公開処刑により「大虐殺された」と韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏が自身のブログとユーチューブ・チャンネルで伝えている。

チュ氏によれば、事件は8月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)郡で起きた。国境の川を渡って中国へ脱北した地域住民が、再び故郷に戻り逮捕された。金正恩党委員長は、新型コロナの流入を防ぐために国境を徹底的に封鎖するよう厳命しているが、それが出来ていないことが発覚してしまったのだ。

報告を受けた金正恩氏は激怒。防疫ルールを遵守しない現象については、容赦なく銃殺、無期懲役で処罰しろと命じたという。

その結果、件の脱北者が越境した地点を受け持っていた国境警備隊の中隊長、政治指導員、責任保衛指導員、軍保衛部封鎖部長、軍機動巡察隊長、そして脱北者本人が所属する職場の党委員長と支配人が処刑され、家族は追放されたという。さらに、チュ氏は次のように説明する。

「そして彼らの処刑場面を、当該地域の幹部たちに参観させた。どれほど残忍に処刑されたのか、参観者の中からは男性も女性も、気絶する人、失禁する人が続出した。北朝鮮でよく行われる、数百発の銃弾を浴びせ、人間の原型すらとどめないやり方だったのだろう」

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穏城(オンソン)での脱北者の一件については、チュ氏だけでなく米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)も伝えている。現地の住民がRFAに伝えたところでは、この脱北者は道内の清津(チョンジン)出身で、7月中旬に穏城と中国・吉林省の間を流れる豆満江を渡って自宅に戻り、10日あまり経ってから咸鏡北道保衛局(秘密警察)に自首したという。既に取り調べは終了し、現在は新型コロナウイルスに感染した疑いがあるとして隔離されている。

チュ氏の話とは微妙なズレがあるが、口コミでしか取材できないことを考えれば誤差の範囲内だろう。そしてRFAも、この脱北者が川を渡るときに何ら制止を受けなかったことが大問題になったとしている。

さらに、事件が金正恩氏に報告されたとしている点でも、チュ氏の情報と共通している。RFAは続けて、国境警備隊27旅団271連隊1大隊所属の1個中隊が解散させられ、中隊長をはじめ中隊の指揮官らには、戦闘警備勤務怠慢罪で10年以上の教化刑、つまり懲役刑が下されたと報じた。さらに、事情を全く知らない家族までもが、突如として車に乗せられ教化所(刑務所)送りになったと伝えた。

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ただしRFAは、公開処刑の件には言及していない。仮に、チュ氏が伝えた大々的な公開処刑が事実なら、時間を経て続報がもたらされるかもしれない。