韓国警察の脱北女性への性暴力が横行、組織的な隠蔽も

北朝鮮から脱北して韓国に入国した人の数は、2020年3月の時点で3万3658人(統一省の統計)。そのすべてが韓国に住み続けているわけではないが、韓国で生まれた脱北者2世を含めると、すでに4万人近くになっていると言われている。

韓国に入国して日の浅い脱北者には、居住地の警察署に所属する警察官が、身辺保護管として付く。北朝鮮のスパイである可能性が排除できないために監視し、同時に、生活上の悩みやトラブルの相談にも乗る。ところが、その身辺警護官が脱北女性に性暴力を振るう事例が相次いでいる。

韓国の中央日報は今年7月、ソウルの瑞草(ソチョ)警察署の幹部が、自身が身辺警護を行っていた脱北女性に長期間にわたって性暴力を振るっていたと報じた。

(参考記事:韓国で「性暴力」の餌食になる脱北女性たち…被害は一般女性の10倍

脱北者の定着教育機関「ハナ院」の諮問委員を務めるチョン・スミ弁護士が同紙に語ったところによると、この幹部は2016年5月、北朝鮮関連の情報を収集するとの名目で、脱北女性に接近し、1年7ヶ月の間に12回にわたって性暴力を加えていた。さらに、警察がこの件を組織的に隠蔽しようとした疑惑が持ち上がっている。

女性は、幹部が所属する瑞草警察署保安係や、警察官の不正行為を監査する聴聞監査官室などに助けを求めたが、最近になるまで監査は行われなかった。今年6月末になってようやく職務を解かれ、待機発令となった。

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女性は、幹部を強姦、類似強姦、業務上威力による姦淫の罪でソウル中央地方検察庁に告訴した。ところがこの幹部は、女性を誣告(虚偽の告訴)容疑で告訴した。幹部は韓国CBSの取材に、「女性との性的関係は性暴力ではなくすべてプライベートな関係で起きたことだ」として、女性の告訴内容を否定した。

韓国メディアは、公人、有名人、凶悪犯を除き被疑者の実名報道を行わない。そのため、この幹部の個人情報もふせられていたが、ひょんなことから暴露されてしまった。

この幹部は2010年から2018年まで身辺保護官として活動し、その功労を認められ、2016年には朴槿恵大統領(当時)直属の委員会から表彰されたのだが、それを紹介する記事では彼の実名が明かされている。

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そこから「足」がついて、性犯罪者の実名、画像などを公開するデータベース「デジタル刑務所」に掲載されてしまった。ただし、虚偽の情報を掲載された大学生が自ら命を断つなど、このデータベースは社会的に問題視されている。

韓国の聯合ニュースは9月8日、脱北女性の訴えについて報告を受けたのに適切な措置を行わなかったとして、ソウル地方警察庁が同庁保安部の課長、係長について、職務を解いて待機発令としたと報じた。またニュース1は同月28日、警察庁監察課が2人に加えて、聴聞監査官室の係長の3人について、捜査を行うように依頼したと報じた。

上述のチョン・スミ弁護士によると、2015年からの6年間で身辺保護官から性暴力を受けた女性は9人、被害事例を目撃した事例は3人だ。内訳は強制わいせつ6件、セクシュアル・ハラスメント3件、暴行、脅迫3件、姦淫2件、強姦1件で、1人が複数の被害に遭っている事例もある。ただし、これは氷山の一角に過ぎず、被害の全容は把握できていない。

(参考記事:韓国「身辺保護官」からの性暴力に苦しめられる脱北女性