北朝鮮内部資料「咸鏡北道など各地でコロナ死者発生」

北朝鮮は、国内における新型コロナウイルスの感染者発生を公式には認めていないが、韓国在住の脱北者の研究者が、北朝鮮の内部資料を用いて、新型コロナウイルスによる死者が発生していたとの内容の論文を発表した。

韓国の北韓科学技術センターのカン・ヨンシル研究委員は、韓国の経済開発研究院(KDI)が発行する「北朝鮮経済レビュー9月号」で、論文「COVID-19に対する北朝鮮の技術的対応」を発表した。

論文は、北朝鮮の中央非常防疫指揮部の内部資料に記載された集計を根拠に、今年5月に北朝鮮国内、新型コロナウイルスに感染した疑いのある患者と自己隔離者が数多く発生したとしている。最も多かったのは、中国とロシアとの国境に面した咸鏡北道(ハムギョンブクト)で1万4000人に達し、以下咸鏡南道(ハムギョンナムド)、江原道(カンウォンド)の順だ。

これまでの情報では、咸鏡北道のみならず、中国との国境に接する慈江道(チャガンド)、両江道(リャンガンド)などでも隔離者、死者が発生していると伝えられてきたが、今回の報告では、さらに内陸地方までコロナが広がっている状況がうかがえる。

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また、死者が発生した地域として咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)、茂山(ムサン)、羅先(ラソン)、会寧(フェリョン)、慶興(キョンフン)、富寧(プリョン)、平安北道の新義州(シニジュ)、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)、江原道の元山(ウォンサン)、黄海北道の沙里院(サリウォン)を挙げている。ただし、死者の数は公表されていない。

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一方で、入市規制の厳しい首都・平壌や、その近郊にある平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)、韓国との軍事境界線にほど近い開城(ケソン)で死者は発生していない。

死者の数が抑えられた理由としてカン氏は、北朝鮮が発生初期から全国的に感染が疑われる患者を探し出して隔離するなど、迅速な対応を取った点を挙げている。医療状況が劣悪な北朝鮮では、感染症の拡散予防策としては古典的と言われる隔離、また、一部地域では封鎖措置を取ったが、それらが功を奏した形だ。

北朝鮮は、今年1月から厳重なコロナ対策として、国内での防疫体制の強化、移動統制にとどまらず、国境の封鎖、貿易の停止も打ち出した。また、国境警備を今まで以上に強化し、違反者を射殺するなど、異常とも言えるほどの厳しい措置を取っている。

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