総参謀部の大佐も公開処刑…北朝鮮で「落書き」事件が頻発

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮の平安南道(ピョンアンナムド)で9月中旬、朝鮮労働党の幹部を非難する「落書き」が発見され、道保衛部(秘密警察)が大々的な犯人捜しに乗り出しているという。

北朝鮮では、党の権威は最高指導者の権威に直結するものととらえられており、それを傷つける行為は政治的事件として扱われ、処刑や政治犯収容所送りなどの厳罰が下されることも珍しくない。

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現地情報筋がRFAに語ったところによると、落書きは殷山(ウンサン)郡内の市場近くの塀に書かれていた。内容は「人民を搾取し、たらふく食べて裕福に暮らす党幹部を打倒しよう」というものだったという。

落書きが発見されるや、道保衛部は一斉捜査を開始。住民らに特定の文章を紙に書かせて提出させ、筆跡の対照を行った。しかしそれでは犯人を特定できず、続けて利き手とは逆の手で書いたものを提出させたが、それでも犯人を見つけられていないようだ。

これと同様の事件は昨年12月にも頻発しているが、このときも犯人は捕っていないもようだ。そもそもこうした「落書き事件」の犯人が捕まるのは、非常に稀だとも言われる。

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当局としては、発生地域の外に「党を非難する落書きが見つかった」という情報が拡散するのを防ぐことも重要であるため、捜査の範囲を一定以上に広げることができないのだ。つまり当局が最も避けたいのは、最高指導者と体制の権威を軽んじる空気がまん延してしまうことなのだ。

ちなみに2018年3月には、落書きの犯人として逮捕された朝鮮人民軍総参謀部の大佐が公開処刑されている。

デイリーNKの内部情報筋が当時伝えたところでは、「銃殺された大佐は両江道(リャンガンド)と江原道(カンウォンド)に駐屯している各軍団の訓練状況を視察し、上層部に報告する任務に携わってきた。この約3年間、あちこちの地方を回りながら、金正恩体制に反対する落書きを書きまくっていたらしい」とのことだ。

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ここで言われている「3年にわたる落書きしまくり」が、大佐の自供によるものなのか、それとも北朝鮮当局の一方的な主張なのかは不明だ。だが、これが事実ならば、それまで北朝鮮国内から伝えられた各種の落書き事件の多くを、この大佐が主導した可能性があるということだ。