「義兄弟の契り」北朝鮮強盗団と“すご腕”刑事部長の対決

北朝鮮では、1990年代後半の未曾有の食糧危機「苦難の行軍」に際して犯罪が急増したと言われている。

国家の配給システムが停止し、生きるために市場で商売する者もいれば、犯罪に走る者もいた。極度に悪化した治安対策として金正日総書記は「犯罪者はその場で処刑せよ」という荒っぽいやり方を指示した。

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今では、競技場や空き地、河原など公開の場で裁判を行い、それを市民に参観させる方式が、犯罪抑止に用いられている。東海岸の大都市、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)で今月14日、強盗団9人に対する開裁判が行われた。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、北朝鮮有数の巨大市場、水南(スナム)市場のそばの空き地で、公開裁判が行われた。党のイルクン(幹部)と人民班長(町内会長)は無条件で参加せよとの指示が下された。また、街頭女性(専業主婦)、工場、企業所の幹部、労働者も組織的に参加させられた。

「今回、9人の強盗団を一網打尽にした」

裁判の冒頭でそのように高らかに述べた道安全局(県警本部)の担当者は、引き立てられてきた9人の罪状を読み上げ始めた。

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彼らは、義兄弟の契りを交わした上で強盗団を結成し、道内の市場や密輸を行っている地域で、貿易指導員のフリをして犯行を繰り返した。留守宅に上がりこんで空き巣を働く、路上で女性に性暴力を振るって金品を奪うなど、その手口は非常に悪辣だ。

犯行はそれにとどまらない。奪ったタバコ、服地などの品物でさらに儲けるために、妻に卸売業者のふりをさせて販売させていたのだ。それでも飽き足らず、穀物が保管された糧穀倉庫を襲撃しようとしたが、逮捕された。

道安全局は、判決文朗読が終わると彼らをモノのように扱って車に放り込み、勾留場に移送した。どのような判決が下されたのかについて情報筋は触れていないが、重罪は免れないだろう。

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咸鏡南道(ハムギョンナムド)では今年5月、強盗団6人に対する公開裁判が行われたが、頭目の現職の検事に無期懲役の判決が下された。

彼らは、刃物を突き付けて通行人から金品を強奪、違法薬物の密造・密売にも手を染め、仲間の行為が発覚しそうになると、同僚の検事やほかの機関の幹部にワイロを渡しもみ消していた。

(参考記事:「金正恩独裁」に挑戦した強盗団の親分は現職の検事だった

裁判を見守った住民は「経済が苦しいから犯罪が増えて強盗団も現れて手口も巧妙になる」などと述べ、将来に対する不安をのぞかせた。

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今回の事件の捜査を主導したのは、道安全局(警察本部)の事件処理部長(刑事部長)だったという。平安南道(ピョンアンナムド)安全局から抜擢され、咸鏡北道安全局に配属された人物で、情報筋は「凄腕の捜査幹部であることを見せつけた」と好意的に評価した。

このような敏腕な人物が送り込まれたのは、多発する犯罪に、前任者が対処できていなかったことが背景があると思われる。

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