焼け残った遺体を犬が…北朝鮮刑務所の生き地獄

北朝鮮は、10月10日の朝鮮労働党創建75周年に際し、大赦(恩赦)を実施した。

米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋は、先月8日に、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)市にある全巨里(チョンゴリ)教化所(刑務所)から、過去の大赦より遥かに多い300人もの受刑者が釈放されたと伝えた。

残りの刑期が2年以下、または健康状態の悪い人、そして今までとは異なり脱北後に強制送還された人も対象となった。

別の情報筋も、咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興(ハムン)のにある9号教化所のみならず、平安南道(ピョンアンナムド)など全国の教化所から、大量の受刑者が釈放されたと伝えた。

金正恩党委員長の「人民愛」をアピールする一方で、施設内の「密」な状態を解消して、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐ目的があるものと思われる。

(参考記事:北朝鮮の刑務所で大量死か…新型コロナで「究極の選択」

運良く出所できた人がいる一方で、教化所で悲惨な死を迎える人も少なくない。

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デイリーNKの内部情報筋によると、前述の全巨里教化所には2006年に火葬場が建設され、獄死した受刑者の火葬を行っている。刑期を終えずに亡くなった人の遺体は、家族に引き渡されず、火葬してしまうのだ。

遺体は、プルマン山と呼ばれる火葬場でまとめて荼毘に付されるが、燃料不足のせいか高温が保てないため、きちんと火葬されない。焼け残った遺体は犬に食べさせるため、受刑者が山で木を切り出す作業をしていると、遺体の一部を加えた犬をよく見かけるという。

「(鉱山の)坑道崩落で多くの人が死ぬとトラクターで遺体を安置室に運び、10〜15体集まれば、リアカーで運ぶ。保管状態は冬はまだマシだが、夏には入り口にハエがたかり、ひどい臭いが漂う」(情報筋)

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2008年2月に、近隣の鉱山で強制労働させられていた受刑者が落盤に巻き込まれ、40人以上が死亡する事故が起きたが、犠牲者の遺体は遺族に知らされないままに、プルマン山で火葬されている。

(参考記事:北朝鮮鉱山で坑道落盤、強制労働中の受刑者40人以上死亡

米国の人権団体、北朝鮮人権委員会(HRNK)が今年9月に発表した「北朝鮮:12号全巨里教化所写真分析アップデート3)報告書によると、火葬場は教化所から東に1キロ離れたところにある。

当局は、刑期を終えずに獄死した人を「祖国に反感を抱いたままで死んだ者」と見なし、「罪を償っていない罪人は、死んでもこの国の青空を眺める資格はなく、家族の胸に抱かれることはゆるされない」と考えているというのが、情報筋の説明だ。

遺体を冷凍保存する設備、薬品など設備も備品もないため、腐敗するに任せるのだという。安置室周辺もひどく汚染されている。

全巨里教化所では年間100人程度が亡くなっているが、朝鮮労働党も司法機関も「国に恥をかかせた罪人が生きようが死のうがどうでもいい」という立場だ。収監されている人の多くが脱北後に強制送還された人で、国際社会に人権問題を指摘される「ネタ」を提供したという意味で「恥」と考えているようだ。受刑者は「何人」ではなく「何匹」と数えられ、「生き地獄だ。暮らしぶりは最下層の人よりさらにひどい」(情報筋)という、人権侵害の温床だ。

これが人間中心のチュチェ(主体)思想を標榜する北朝鮮の現実なのだ。

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