「レーダー照射問題」だけじゃない…韓国「軍事行政」の闇

韓国の徐旭(ソ・ウク)国防相は17日の国会国防委員会の全体会議で、国民に向けて謝罪した。前日に亡命した北朝鮮の男性が韓国側に越境する際、軍の監視カメラに複数回捉えられていたにもかかわらず適切な措置が取られなかったことを詫びたのだ。

このように不法越境者を見逃す軍の失態は、もう何度も繰り返されている。今回の出来事があったエリアでは昨年11月、北朝鮮軍の男性が軍事境界線を越えて韓国入りした事件と、2012年10月に亡命しようと韓国側に入った北朝鮮兵士が気付いてもらえず、韓国軍監視所の窓をノックして亡命意思を伝えた事件も起きている。

また、2019年6月には北朝鮮の漁船1隻が「東海(日本海)北方限界線」を越えて約150キロも南下したのに、韓国軍と海上警察がこれを捕捉できなかったことが発覚した。

なぜ、こうも同じような問題が繰り返されるのか。韓国はアジアでも有数の軍事力を有し、海兵隊や特殊部隊の練度の高さには定評がある。しかしその一方、兵役制度によって数だけは充足されてきた一般部隊では、士気や練度が低下しているのではないか。

北朝鮮が核ミサイル・サイバー戦・特殊戦といった「非対称戦力」に舵を切っているにも関わらず、自己変革を怠ってきたツケが出ているのではないか。というのも、膨大な人員を養う兵役制度はそれ自体が巨大な公共事業であり、政治・経済的な利権が絡み過ぎて改革ができないのだ。

つまり、韓国軍の弱点は軍事行政の杜撰さにあると言ってもいいだろう。2018年12月に日本との間で発生したレーダー照射問題の背景にも、現政権の強引かつ不合理な軍事行政があったと言われている。

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(参考記事:日韓「レーダー照射問題」の背後にある韓国政治の闇

しかしどうやら、文在寅政権は未だに軍の地盤沈下に気付いていないのではないか。同政権は日本や中国に対抗して軽空母の導入構想を推進しているが、軍の内情がこの有様では、どんなに豪華な兵器を揃えたところで無意味だろう。

同政権はなお、北朝鮮との融和を目指しているらしいが、金正恩総書記は軍事的な威力を以て国益の確保にまい進する意思を、1月の党大会で改めて明らかにした。そんな金正恩氏が、韓国の守りに開いた「穴」を見逃すはずがない。韓国の軍事行政の脆弱さは、同国にとって最も危機的な問題点のひとつと言えるかもしれない。