元祖セクシー女優も巻き添え…北朝鮮「美人村」の猟奇殺人

新型コロナウイルス対策の国境封鎖が続く北朝鮮だが、ようやく貿易の一部再開が伝えられている。長引く経済制裁に重なったコロナ禍は庶民の暮らしに深刻な打撃を与え、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時と同様、治安悪化の様相も表れている。

一部の富裕層はやりたい放題を続けているようだ。

平安北道(ピョンアンブクト)の鉄山(チョルサン)郡にある外貨稼ぎ機関の責任者が、カネで買った美女を船上パーティーに連れ出し、薬物を与えるなどして殺害しては川に投げ捨てていた猟奇事件については本欄でも伝えた。犠牲者の数は30人以上とされ、この一件を暴露した韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏も「信じてよいか迷う数字だ」と述べているほどだ。

そして実は、この事件には北朝鮮のある有名女優も巻き込まれていた。チュ氏によれば、ことの経緯は次のようなものだ。

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件の猟奇事件の犯人は、東大院(トンデウォン)区域にある「紋繍院(ムンスウォン)」の常連だった。1982年に完成した紋繍院は、1階には大浴場、プール、2階には家族風呂と個人風呂、理容室、美容室などを備える総合レジャー施設だ。

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といっても、犯人の目的は入浴や水泳とは別のところにあった。紋繍院では密かに、富裕層相手の組織売春が行われていたのだ。そしてこのことが、殺人事件の捜査の過程で発覚し、金正日総書記にまで報告が上がってしまった。

紋繍院の近くには、平壌音楽舞踊大学と平壌演劇映画大学がある。いずれも、北朝鮮の代表的な芸能人養成機関だ。チュ氏が金日成総合大学に通っていた当時も、この界隈は「美人村」として有名だったという。紋繍院での組織売春には、これら大学の一部学生も関わっていたとのことだ。あるいは件の猟奇殺人の被害者の中にも、こうした学生が含まれていたものと見られる。

こうした実態に激怒した金正恩氏は、組織売春を主導した6人を公開処刑にした。その中にはあるレストランのマダムも含まれていたのだが、彼女の情夫の妻が有名女優のリ・ソリだったという。

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1980年代にアイドル的人気を誇ったというリ・ソリは、北朝鮮の元祖セクシー女優でもある。金正日時代に制作された大作映画「民族と運命」に、金炯旭(キム・ヒョンウク)元韓国中央情報部長の情夫役として出演した際、ベッドシーンを披露して話題になったとされる。

リ・ソリとその夫は、組織売春に関わっていたわけではなかったようだ。それでも北朝鮮では、最高指導者を激怒させるような事件は政治的事件として扱われ、犯人の関係者までが連帯責任を問われることが少なくない。今回もまた、リ・ソリ夫婦は死刑こそ免れたものの、平壌から追放され、農民として僻地に送られてしまったという。