金正恩住宅「背筋が凍った」…500人生き埋めの生々しい記憶

北朝鮮の首都・平壌市では今年3月23日、金正恩総書記の出席の下、「平壌市1万世帯住宅」建設の着工式が行われた。

国営の朝鮮中央通信はこの住宅建設事業について、「大規模住宅建設は、わが党と政府にとって最重大課題」であり、「党中央委員会第8期第2回総会の決定を決死の覚悟で貫徹するための壮大な創造大戦である」と意義を強調した。つまりは金正恩氏が今、最も重視している事業だということだ。

しかし、現場の実情はお寒い限りだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、建設工事は主として軍が担っているが、兵士たちが置かれた環境は惨憺たるものだ。慈江道(チャガンド)の情報筋はRFAに対し、次のように語っている。

「先週(5月末)に建設工事支援のため、平壌の現場に行ってきたのだが、あちこちに『忠誠の報告をささげよう』というスローガンが掲げられて速度戦が督励されていたが、1日にやっと2~3時間の睡眠しかとれない兵士たちは苦痛を訴えていた。何日か雨が降り続いたのに、何の対策もなく野積みにされた鉄筋が真っ赤に錆びても、気に掛ける人が誰もいない。セメントの混合比率も基準以下なのを見て驚いた」

この情報筋は続けて、こうも語っている。

「建設が終わっても、見てくれは整っているかもしれないが、1995年に統一通りで発生した25階建てマンションの崩壊事故や2013年に完工した平川(ピョンチョン)区域のマンション崩壊惨事が生々しく思い出されて背筋が凍った」

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消息筋が挙げたのはいずれも、北朝鮮でも最悪レベルの建物崩壊事故だ。どうやらこの記述には、若干の事実誤認があると思われる。一般的に知られているところでは、平壌の統一通りの事故は1992年に発生した。また、やはり平壌の平川区域の崩壊事故は、2014年に起きたものだ。

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金日成・金正日時代に起きた統一通りの事故は徹底的に隠蔽されたが、200~300人ほどの犠牲者が出たと考えられている。金正恩政権下で起きた平川区域の事故は、北朝鮮としては珍しく朝鮮労働党機関紙の労働新聞でも報道された。犠牲者数は明らかにされなかったが、500人ほどが生き埋めになったとされる。

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後者の事故に際しては、建設責任者が遺族に謝罪するという異例の展開も見られた。前例を破る謝罪が、金正恩氏の指示に従ったものであるのは間違いない。しかし、現在の住宅建設現場の実情を見れば、当時の謝罪は単なるパフォーマンスであり、金正恩氏の「人命重視」を表していないことは明らかだ。