「金与正は悪腫だ」反体制世論の標的になった最愛の妹

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、今年の4月と5月、北朝鮮国内で相次いで反体制ビラが見つかった。

まずは4月、黄海北道の沙里院(サリウォン)付近で大量のビラが地面に落ちているのが発見された。現地情報筋によると、治安当局は軍を動員してビラを回収する一方、住民に対して「ビラを発見したら即時、通報せよ」とする一方、「ビラを発見しながら、これを読んだり保管したりする者は反逆罪に問う」と脅迫しているという。

同道では5月に入ると、海岸地域に同じような内容の布告分が張り出された。

ビラの中身は金王朝の3代世襲を批判する内容だというが、耐水性の上質紙が使われ、韓国に比較的近い地域で発見されたことから、韓国から飛ばされたものである可能性が高いようだ。

しかし、5月に首都・平壌で発見されたビラは事情が違った。同月10日の早朝、寺洞(サドン)区域の協同農場と住宅エリアに大量にまかれていたビラは、北朝鮮国内でよく見る質の悪い紙が使われ、印刷もやや不鮮明だったという。韓国や中国国境からの距離を考えても、国内で印刷・散布された可能性が高い。

北朝鮮国内では以前から、こうした反体制的なビラ散布や落書き事件が起きている。当局はそのたびに捜査を行うが、真犯人が見つかることは多くない。

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興味深いのは、平壌で発見されたビラの内容だ。「金正恩時代はもう終わりだ」「我が国は開放してこそ、暮らしが良くなる」といった過去と同様の内容が書かれている一方で、「金与正は悪腫である」とする内容もあったという。(※同音異義語の「悪種」である可能性もある)

これまで、北朝鮮で反体制的な批判の的になってきたのは、最高指導者たちだった。その一族がいかに特権的な地位にあっても、具体的に名前が挙げられることはなかったように思える。
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反体制ビラで金正恩総書記の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が槍たまに挙げられたのは、彼女の政治的な存在感が増大していることの裏返しと言えるかもしれない。

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今月22日にも米国をけん制する談話を発表した金与正氏だが、このように対米対韓関係で前面に出続けるならば、いずれ北朝鮮国民も、彼女を金正恩氏と同列視していくことになるかもしれない。