コロナ生活苦に喘ぐ北朝鮮漁民が直訴「海で漁をさせてくれ」

コロナ以前には日本海の大和堆周辺で、大々的な操業を行っていた北朝鮮の漁船団。海上保安庁が2019年に警告を与えた北朝鮮漁船は1308隻にのぼった。ところが、昨年からその姿が忽然と消えた。

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それもそのはず。北朝鮮当局が出漁を禁じたからだ。金正恩総書記が海水からの新型コロナウイルスの感染拡大を恐れてのことだと伝えられているが、海に頼って生きてきた多くの人々が生活苦にあえいでいる。そんな人々が遂に行動に出た。

(参考記事:「海水でコロナに感染する?」金正恩の出漁禁止命令で食糧難が加重

デイリーNK内部情報筋によると、水産省の下部組織に属する一部の漁民は、一時的にでも操業ができるよう許可してほしいと中央機関に要請した。しかし、これに対する答えは、少なくとも年末まではコロナ防疫指針により操業の再開は認められないというものだった。

操業統制が長期化し、魚は海に満ち溢れ、養殖の貝は腐りつつあるが、一切手を触れることは許されず、漁民たちは地団駄を踏んでいるという。中央機関に要請を出すことは、下手をすると命取りになりかねない行為だ。それを知りつつ行わざるを得ないほど、漁民たちは切羽詰まっているということだろう。

海での操業と同時に密輸が行われることが多いことから、北朝鮮当局は、海を通じて中国からコロナが侵入することを恐れて、一切の操業を禁止しているのだという。

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北朝鮮の漁船が消えた海は、中国の漁船の独壇場となっている。北朝鮮の領海に侵入して違法操業を行うこともしばしばあるが、中国の漁船は速度が速く、北朝鮮の警備艇には追いつけず、効果的な取り締まりはできないという。

違法操業は命がけだ。それでも北朝鮮の領海にやってくるのは「(北)朝鮮の海には水産資源が溢れかえっているので、数時間操業しただけで大儲けできる」(情報筋)からだ。

昨年7月、中国・遼寧省の庄河市から出発した漁船の乗組員が、北上中だった台風を避けるために、平安北道(ピョンアンブクト)鉄山(チョルサン)郡に属する黄海の島に上陸、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)から事前警告なしに銃撃され、3人が死亡する事件が起きている。

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ただ、これは違法操業の取り締まりではなく、コロナ対策として下された「国境地帯、緩衝地帯に無許可で近づく者には無条件で銃撃する」とした布告と関係していると思われる。

(参考記事:北朝鮮警備隊が中国人に無差別銃撃…国境地帯で死者続出