「わが国の体制が滅べばいい」ロシアのウクライナ侵略で北朝鮮国民

ロシア軍がウクライナに対する侵略を開始したのは先月24日のこと。だが、朝鮮労働党機関紙・労働新聞など北朝鮮の国内向けメディアは、このことについて一切報じていない。朝鮮中央通信が、外務省報道官らの「ウクライナ事態の根源は米国と西側の覇権主義政策」にあるとの認識を報じただけだ。

一方で、朝鮮労働党の党員に限っては、ロシアの軍事行動について情報が伝えられていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

北朝鮮は外務省報道官が談話を出す際にも、「ロシアがウクライナを侵略している」という核心的な事実には触れないようにしながら、戦争状態だということだけに言及している。

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党員に対する情報伝達も同様だ。

平安北道(ピョンアンブクト)の幹部は、道内各地域の党委員会が先月26日、朝鮮労働党中央委員会の指示に基づき、党員に対してのみ、生活総和の時間に「われわれの血盟であるロシアが戦争中だ」と知らせたと伝えた。

もっとも、国境地帯に住む党員の多くは中国の知人などを通じて、ロシアのウクライナ侵略について既に聞いていたという。いずれにせよ、隣国で独立国家であるウクライナにロシアが侵攻したことに、多くの人が驚きを示し、第3次世界大戦が起きるのではないかと懸念する人もいたとのことだ。

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さらに、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、一般国民の間にも、ロシアのウクライナ侵略に関する情報が急速に広がっていると伝えた。

道内の工場や企業所、行政機関内の党委員長が口頭で伝えたというが、それ以前に、噂が広まっていたようだ。各委員長は、いかなる状況でも戦争に即応できる準備体制を備えるように伝えたが、それを聞いた人々の中には、「ここでも戦争が起きて、この忌々しい体制が終わればいい」という反応を示す人すらいたという。

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これと似た反応は、2017年に米朝間の緊張が激化したときにも見られた。デイリーNKやRFAの現地情報筋の話を聞く限りでは、北朝鮮の大衆は、戦争に対する心構えなど持っていない。「米軍が攻めてくるかもしれない」という噂話に、恐れおののく人も少なくなかったようだ。

だが、経済難と権力の締め付けで生きていくのが苦しく、戦争が起きて、すべてが「チャラ」になることへの期待を、冗談とも本気ともつかぬ言葉で表しているのだ。

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