北朝鮮の政治犯、実験場で「核兵器の犠牲」になり死屍累々

北朝鮮は昨年12月、政治犯の分類システムを新たに構築し、各地の管理所(政治犯収容所)に収監されていた政治犯のうち、より罪状が悪いとされた約6割の人を咸鏡北道(ハムギョンブクト)の化城(ファソン)にある16号管理所に移した。

この16号管理所内でも機構の再編があったと、デイリーNK内部情報筋が新たに伝えた。
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それによると、もともとは施設全体が国家保衛省(秘密警察)の管理下にあった管理所を、国家保衛省管理下の新設区域と、社会安全省(警察庁)管理下の既存区域に分け、重犯とされた約8割の人々を前者に移動させたという。

後者からは国家保衛省の管理指導員、警備兵が撤収し、前者または希望する別の管理所に異動させられ、後者には社会安全省の人員が配属された。なお、デイリーNKは昨年9月、元々あった宿舎35棟が撤去され、21棟が新築、さらに川を挟んだ地域に8棟が新築されたことを、過去の衛星写真と比較して報じている。

16号管理所は、何があっても絶対に釈放が許されない「完全統制区域」とされていた。これが今回の再編により、刑期満了に伴い釈放が認められる「革命化区域」に変更されたのか、また再編が具体的にいつ行われたかなど、詳しいことはわかっていない。

ただ、情報筋は今回の再編の理由について、「より高いセキュリティを求められる敏感な施設の建設に収監者を動員するため」だと説明している。社会安全省管理区域の収監者は必要に応じ、一般人の接近不可能な軍事施設や坑道の建設に動員されるという。
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道内には、2018年5月に爆破・破壊された豊渓里(プンゲリ)の核実験場があり、北朝鮮当局は現在、その再建を進めていると伝えられている。実験場は、16号管理所から直線距離で20キロほどのところにあり、再建工事に収監者が動員されている可能性が考えられる。

なお、情報筋は、管理所の警備兵など管理人員の数に大きな変化はないとしつつも、外部で作業を行うに当たって必要となる護送時の武装警備兵、監視塔の哨兵の人員は3倍に増やされたと述べている。
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収監者らは、一般人の動員が不可能な危険な場所で酷使され、炭鉱、坑道などでの作業者に食糧配給を100グラム増やすという管理所運営規則も適用されず、生き伸びる者より死亡する者の方が多いとのことだ。

北朝鮮の核兵器は、実際に使われる前から、多くの人の命を奪っているのだ。
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