ロシアのウクライナ苦戦で北朝鮮軍「外貨稼ぎ部隊」に壊滅的打撃

新型コロナウイルスのパンデミックとウクライナ戦争に加え、北朝鮮国内でのコロナ感染拡大により、ロシア国内にいる北朝鮮労働者が困難な境遇に置かれていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

ロシアには現在、北朝鮮から数万人に及ぶ労働者が派遣されており、そのうちの相当数は北朝鮮軍の兵士たちだとされる。

労働者らは、不況のせいで働き口が激減し、さらには北朝鮮国内の家族とも連絡が取りにくくなっているという。

RFAがウラジオストクの情報筋の話として伝えたところによると、現地に滞在する北朝鮮労働者らは、廃墟を手直ししただけの劣悪な宿舎で暮らしているという。

労働者たちはコロナ流行以前の2019年に派遣されたが、いつ帰国できるか見通しすら立っていないという。

一方、デイリーNKの現地情報筋によると、首都・モスクワには朝鮮人民軍第7総局所属の兵士らが派遣されているが、兵役期間はとっくに過ぎているのに、コロナ対策で国境を封鎖した北朝鮮政府により帰国が認められず、建設現場などで働き続けてきた。
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そして、最近はウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁の影響で不況が深刻化し、雇用がさらに減るなど、状況は悪化の一途を辿っている。

RFAによると、ウラジオストク市内の大規模な建設現場で北朝鮮労働者を見かけることは珍しく、郊外の小さなアパートなどで、2~3人が補修作業などを行っているのがせいぜいだという。

モスクワに本部を置き、ロシア国内の難民を支援している民間団体「市民支援委員会(CAC)」はRFAに対し、ウクライナ侵攻直後にルーブル相場が暴落した際、多くの外国人労働者が本国に戻ったが、北朝鮮の労働者だけは足止めの憂き目に遭ったと伝えている。

ルーブルは相場こそ回復したものの、ドルやユーロと交換することができないため、たとえ収入があっても送金できない状況だという。

そもそも、2017年に採択された国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議案により、加盟国は北朝鮮労働者の受け入れを禁止され、2019年までにすべて帰国させなければならないことになっていた。ロシアは制裁破りをしてまで、北朝鮮の外貨獲得に協力してきたわけだが、むしろロシアによるウクライナ侵攻がそれに壊滅的な打撃を与える逆説を生んだわけだ。

ロシアの敗色濃厚なウクライナの戦況は、プーチンに対する絶対的な支持を宣言した金正恩総書記と北朝鮮の立場を、一層苦しいものにする可能性もある。

さらに、北朝鮮国内での感染拡大により、労働者たちはいつになったら帰国できるのか、見通しすら立たなくなった。今年に入り、中朝間で貿易のための列車運行が再開されるなど、国境が開かれる兆候が見られていただけに、ロシアにいる兵士や労働者たちの落胆は大きいだろう。

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