「ドアを釘付けして監禁」金正恩式”コロナ対策”の実態

北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、25日18時までの24時間に確認された発熱患者の数は10万5500人余り。また、4月末から25日18時までの発熱患者の累計は317万380人余りで、289万8500人が全快し、68人が死亡した。

この「全快」とはどのような状態を指すのか。平壌のデイリーNK内部情報筋が説明した。

まず、自宅での隔離の場合は7日、隔離施設に収容された場合は7日から10日が過ぎると、熱や咳の症状があっても隔離が解除され、「全快」扱いとなる。発熱患者の中には、コロナよりも腸チフス、麻しん、百日咳の感染者が多く含まれていると、韓国の情報機関、国家情報院は明らかにしている。

また別のデイリーNK内部情報筋は、平壌市内の一部でしかPCR検査が行われていないことから、期間で区切って一律で「全快」扱いにするようだ。

平壌には隔離施設が存在しなかったが、今回のコロナ感染拡大を受け、2ヶ所が新設された。それに加えてさらにもう3ヶ所を新設する予定だと、情報筋は伝えている。
(参考記事:コロナ発生の北朝鮮、平壌にも隔離施設を新設

楽浪(ランラン)区域の隔離施設では、朝食と夕食に、トウモロコシ飯、ジャガイモ、塩スープ、昼食にはトウモロコシ麺と沢庵の入ったスープが出される。栄養、衛生状態の劣悪さに、「一度入れば二度と出てこれない」と悪評の立っていた隔離施設だが、平壌市内のそれらについては、決して充分とは言えないものの、それなりの食事が出されるようだ。
(参考記事:「入ったら生きて出られない」北朝鮮国民が恐れるコロナ隔離施設の惨状

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一方、自宅で隔離されている人に対する食糧配給は一切行われていないとのことだ。

自宅隔離者は、人民班長(町内会長)、文駐所(派出所)の安全員(警察官)、保衛員(秘密警察)、衛生防疫所、地域担当の診療所により管理されているが、食事に関しては、人民班長だけが、隔離者から電話を受けて、コメなどを貸し与え、国からの支援は一切ないとのことだ。

平壌市民は、自分がいつ隔離対象になるかわからないと恐れ、野菜や味噌、塩などの食べ物や燃料を市場であらかじめ買いだめしたり、借りたりしている人が少なくないと情報筋は伝えた。コロナ鎖国による品薄で、物価が不安定な状態にあることから、隔離に備えた買いだめにより、物価が高騰する可能性がある。

地域担当の安全員は、隔離対象者が勝手に外出しないかを監視し、外出を発見した場合は逮捕し、区域の安全部(警察署)の勾留場や待機場に拘禁している。その後、非常防疫司令部直属の社会安全省機動打撃隊員により、護送車で強制帰宅させる。そして、自宅の玄関ドアに釘を打ち、物理的に外出ができないように封じ込めてしまう。

隔離対象者の無断外出は、朝鮮労働党の政策に真っ向から歯向かう深刻な行為として扱われるため、昼夜を分かたず人民班で監視を行っている。特に窓から出入りすることがないように警戒している。
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それでも食べ物を求めて無断外出し、逮捕される事例が頻発しているとのことだ。市民は「(無断外出して)防疫指針を2回破れば、反逆者扱いされる」として、恐怖に震えていと情報筋は伝えた。北朝鮮で国家に対する反逆者と見なされれば、処刑や政治犯収容所送りなどの厳罰に処される可能性が高い。
(参考記事:【北朝鮮国民インタビュー】突然のロックダウンで生活困窮、餓死者も

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