途方に暮れる美人ウェイトレス…北朝鮮レストランが廃業の危機

北朝鮮レストランといえば、かつては北朝鮮の外貨稼ぎ事業の花形だった。美貌の女性従業員の歌や踊りの歓待が人気で、中国では100店舗を数え、東南アジアやロシア、オランダなどにも進出するほどだった。

ところが、国連安全保障理事会で北朝鮮労働者の新規雇用禁止、本国への送還、合弁企業新規設立、増資の禁止などを含む制裁決議が相次いで採択されたことで、店をたたむ北朝鮮レストランが続出した。その上さらに、新型コロナウイルスによる営業停止や不況が重なった。

一部の店で営業を再開したものの、経営難で廃業の危機に瀕していると、デイリーNKの対北朝鮮情報筋が伝えている。

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遼寧省の北朝鮮レストラン関係者は、店を開けても客が来ず閑古鳥が鳴いているので、従業員は掃除くらいしかやることがないと嘆いている。それで少しでも収入を確保するため、派遣労働者として外部に働きに出している。

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従業員らは夜遅くまで働き帰宅、睡眠時間は数時間という毎日だが、1人当たり1日70元、1ヶ月で2000元ほどを稼ぐ。そのうち従業員が受け取れるのは6〜7割で、残りはレストランの社長や北朝鮮の管理者にピンはねされてしまう。とは言っても、私腹を肥やすのではなく、北朝鮮政府に上納する「忠誠の資金」に当てられるのだ。

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吉林省の北朝鮮レストランも、状況は似たりよったりだ。

こちらのレストランの関係者は、近々店を閉める予定だと語った。新型コロナウイルスの感染が抑え込めたかと思いきや、省内で2番目に大きい都市・吉林市を中心に第2波の感染が広がり、部分的なロックダウン(都市封鎖)に入ったことで希望を失ったのだという。

吉林省では、遼寧省と違って従業員を他の場所に働きに出そうにも受け入れてくれるところがない。昨年夏の暇な時期には山荘(ペンション)に従業員を働きに出していたが、今年はそれも絶望的だ。

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閉店後にも、国から課された資金計画(上納金のノルマ)を達成しなければならないため、従業員はレストランではなく別の場所に働きに出す予定だという。

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デリバリーサービスも始めたが、料理が現地の人々の味覚に合わず、価格が高いため、需要が少ないのだと説明する。

「中国人のほとんどは北朝鮮レストランを特色のある場所と認識していて、(北)朝鮮の人々に対する好奇心から店を訪れる」(レストラン関係者)

だが、中国東北には約200万人の朝鮮族が住んでいて、漢族や他の民族もキムチや冷麺などの朝鮮料理に慣れ親しんでいることから、「味覚に合わない」とは考えにくい。単にコスパや味が不評なのかもしれない。