「破局的な結果を考えてみろ」北朝鮮、また韓国にブチ切れ
本欄でも繰り返し指摘してきたことだが、現在の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に、本格的な戦争を戦う力はない。ベトナムや中東の戦場にまで派兵し、米軍やイスラエル軍と死闘を繰り広げたのも今は昔の話である。
(参考記事:米軍機26機を撃墜した「北の戦闘機乗りたち」)だからこそ、北朝鮮は核兵器開発に賭けてきたわけだが、近くベトナムで行われる2回目の米朝首脳会談では、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や一部の核・ミサイル施設の廃棄で合意が成立するのではないかと見られている。仮にそれが履行されれば、北朝鮮は改めて北東アジアの「最弱国」が確定してしまうわけだ。
(参考記事:金正恩氏の「ポンコツ軍隊」は世界で3番目に弱い)そのような環境の中、北朝鮮が韓国の軍備増強に神経を尖らせるのは当然と言えば当然だ。そもそも、両国は対話を進めてはいるが、それはあくまでいくつかの「タブー」に目をつぶりながらのものでしかない。韓国に対する北朝鮮の不信感は、決して消えていないのだ。
(参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難 )もちろん、北朝鮮が警戒しているのは韓国だけではない。軍事力の面で言えば、日本の方がよほど気になる存在だろう。
だから北朝鮮は米朝首脳会談においても、ICBM以外の中・短距離弾道ミサイルの廃棄には頑強に抵抗するかもしれない。ほかにも特殊部隊やサイバー部隊など、「虎の子」と呼べる戦力が残っているとはいえ、海の向こうの国に目に見える脅威を与えられるのは、やはり弾道ミサイルだろう。
非核化の行方とともに、日本の安全保障に大きく影響する問題と言える。