貧すれば鈍する。北朝鮮では1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころ、少量の穀物を盗んだだけで銃殺にされる人が相次いだ。そして、国際社会の制裁と相次ぐ自然災害、そしてコロナ鎖国の三重苦で苦難の行軍の再来が囁かれる2021年、20数年前同様に実に些細なことで命を落とす人がいる。 一体何が起きたのか、デイリーNKの軍内部の情報筋が詳細を伝えた。 事件が起きたのは、黄海北道(ファンヘブクト)瑞興(ソフン)郡にある朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の8.15訓練所の近隣にある協同農場だ。 訓練 ...

米国のコンテンツプラットフォーム、Netflixが韓国発のドラマとして放映し、韓国のみならず全世界的に人気を集めている「イカゲーム」。北朝鮮は早速これに噛みつき、韓国社会批判に利用している。 北朝鮮の対外宣伝ウェブサイト「メアリ(こだま)」は今月12日、「南朝鮮(韓国)社会の実像を暴露するテレビドラマ『イカゲーム』人気」と題した記事を配信した。以下、一部を紹介する。 最近、弱肉強食と不正腐敗が蔓延り、廃倫廃徳が日常化した南朝鮮社会の実情を暴露するテレビドラマ「イカゲーム」が放 ...

北朝鮮で11日、朝鮮労働党創立76周年を記念する国防発展展覧会「自衛-2021」が開かれた。このような展覧会が開かれるのは初めてだ。開幕式では金正恩総書記が記念演説を行った。舞台の脇には移動式発射台(TEL)に載せられた新型と見られる大陸間弾道ミサイルが展示されていた。これ以外にも過去5年間に開発されたミサイル、ロケット砲などの兵器が大挙、展示された。 金正恩氏が、執権10年間でいかに北朝鮮の軍事力を発展させてきたかを誇示することが「自衛-2021」の開催目的であることは疑い ...

北朝鮮では重罪とされる金(ゴールド)の密輸。昨年、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)では、58キロもの金の密輸事件が摘発され、密輸業者、国境警備隊の副小隊長、中隊の保衛指導員ら7人が逮捕された。 いずれもその後に処刑されたようだが、その家族とて無事ではいられず、「陸の孤島」とも言える山奥の農村や炭鉱に追放された。 米政府系のラジオ・フリー・アジアが5月、北朝鮮の幹部の証言として報じたところでは、処刑も追放も金正恩総書記の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が指揮し ...

2011年末に発足した金正恩政権が世界に対して初めて攻勢的な態度を取ったのは、2013年2月に行われた同国3回目の核実験だった。 ただ、金正恩という独裁者の存在をより強烈に印象付けたのは、2014年に発生したソニー・ピクチャーズエンタテインメント(米カリフォルニア州)への大規模なサイバー攻撃だったと言えるだろう。 この事件では、同社の映画作品や財務書類、俳優の個人情報などが盗まれ、さらにコンピュータが破壊されるなどして1500万ドル(約16億円)もの損害が出た。犯人は北朝鮮の ...

2011年12月17日、金正日総書記が急逝したことによって始動した金正恩政権はもうすぐ発足から10年となる。この間の歩みの中で、特筆されるべきはその無慈悲な粛清政治だ。 金正恩氏の本格的な粛清政治は2013年から始まった。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)元朝鮮労働党行政部長の側近らが処刑場に送られ、続いて張氏本人と、彼に連なる人々が処刑されたり政治犯収容所に送られたりした。 彼が処刑された後、愛人だった元トップ女優も粛清されたと言われる。 (参考記事:【写真】女優 キム・ヘギ ...

「億万のカネをつぎ込んででも、民族反逆者を無条件で捕まえて、見せしめとして厳罰にせよ」 これは、金正恩総書記の下した指示、「1号方針」だ。 表面上は法治国家ということになっているが、実際は最高指導者の鶴の一声が何よりも効力を発するのが北朝鮮の体制。だが、特定の一般犯罪者に対して、1号方針で逮捕を命じることはそうあることではない。一体何が起きたのだろうか。詳細を、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋の話から紐解いてみよう。 この話の主人公は、中国との国境に接する道内の ...

韓国の左派系与党・共に民主党は10日、来年3月の大統領選に向け、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事を公認候補に選出した。 李在明氏は日本に対する強硬な発言で知られる。例えば韓国紙・中央日報(日本語版)が7月23日に掲載したインタビューでは、次のように語っている。 「(日本が強硬なのは)日本軍国主義勢力の侵略意志のためだ。日本が独島をなぜ繰り返し問題にするのか。いつか大陸に進出する時、トリップワイヤーにするためではないだろうか。私はそれで日本の大陸進出の夢が武力的方式で噴出する ...

北朝鮮の金正恩総書記は10日、朝鮮労働党の創建76周年を迎えて行った記念演説で、過去10年間の執権期間を振り返りつつ、今後5年で国民の衣食住の問題を解決すると表明した。 しかし、貿易停止などの行き過ぎた新型コロナウイルス対策と自然災害で、北朝鮮国民の生活の苦しさは加重されているのが現実だ。 金正恩政権は幕開けと同時に、悲惨な大量餓死を引き起こした。 韓国に程近い北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)。平野が広がり、気候も穏やかなため、昔からコメが多く取れる穀倉地帯として有名だ。1 ...

北朝鮮の金正恩総書記は10日、朝鮮労働党の創建76周年を迎えて演説した。金正恩氏がこうした形で、党創建日の記念演説をするのは初めてだ。 特に注目されるのは、演説の冒頭では「この10年間、わが党建設において」と述べている点だ。金正恩氏は父の金正日総書記が2011年12月17日に死去したのを受けて、最高指導者となった。 そのため、金正恩政権の本格的な船出は2012年と見られてきたが、本人はあくまで2011年末が政権の始まりだと考え、10年の節目として異例の演説を行ったもようだ。 ...

金正恩総書記が今年3月に、「普通江川岸段々式住宅区」建設と共に打ち出したプロジェクト、「平壌市1万世帯住宅」建設。平壌市郊外の寺洞(サドン)区域の松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区など5つの地区に2025年までに毎年1万世帯ずつ、全体で7万世帯の住宅を建設するというものだ。 松新・松花地区の住宅では内装、外装工事が盛んに行われているが、平壌のデイリーNK内部情報筋は、今年中の完成は不可能だと見ている。その理由は電気と暖房だ。 この地域では、新築住宅に電気を供給するための送 ...

ドングリは、日本ではあまり食用として使われないが、お隣の朝鮮半島ではよく食べられる食材だ。 韓国では、粉にして水にさらしてアクを抜いたものをコンニャクのように固めて、醤油、ニンニク、ネギなどをかけて食べる。しかし、あくまでも食卓を彩る様々な小皿料理の一つに過ぎない。 これが軍事境界線の北側に北朝鮮になると事情が異なる。国際社会の制裁、相次ぐ自然災害に加え、昨年1月からのコロナ鎖国で深刻な食糧難に陥っている北朝鮮で、ドングリは貴重な食べ物だ。朝鮮労働党は直々に「ドングリ戦闘」を ...

コロナ以前には日本海の大和堆周辺で、大々的な操業を行っていた北朝鮮の漁船団。海上保安庁が2019年に警告を与えた北朝鮮漁船は1308隻にのぼった。ところが、昨年からその姿が忽然と消えた。 (参考記事:北朝鮮漁民「100年前の船」で無謀な出漁…日本の漁師から同情の声も) それもそのはず。北朝鮮当局が出漁を禁じたからだ。金正恩総書記が海水からの新型コロナウイルスの感染拡大を恐れてのことだと伝えられているが、海に頼って生きてきた多くの人々が生活苦にあえいでいる。そんな人々が遂に行動 ...

北朝鮮の警察庁に当たる社会安全省が、新型コロナウイルス対策として、国境線及びそこから1〜2キロの緩衝地帯に許可なく接近すれば無条件で銃撃するとの布告「北部国境封鎖作戦を阻害する行為をしないことについて」を出したのは昨年8月。 それ以降、密輸、脱北、密入国を試みる者はもちろんのこと、そうとは認識できずに川に近づいてしまった障害を持った女性、人間の定めた国境など気にせずに行き交う野生動物などが、次々に犠牲になっている。釣り、水汲み、洗濯などで生活と密着していた国境の川が、近づけば ...

世界最悪の人権侵害国家と言われる北朝鮮を末端で支えている組織といえば、安全部(警察署)と保衛部(秘密警察)だ。 特に保衛部は、金正恩体制の恐怖政治を支える役割を担い、拷問や公開処刑、政治犯収容所の運営を担当してきた。 そして、その要員たちは絶大な権限を振りかざし、暴言、暴行は当たり前で、何かに付けて庶民からワイロを搾り取ってきた。 (参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の残酷ショー) そんな彼らがぬくぬくと暮らしているかと言えば、必ずしもそうではない。恨みを買って ...

社会安全省(警察庁)は昨年8月、国境地帯の住民に対して、国境沿いに許可なく接近すれば、人であろうが動物であろうが無条件で銃撃するとの布告を出した。それ以降、人間、野生動物を問わず発見され次第撃ち殺される事態が続発している。 中でも、国境警備のために派遣された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の特殊部隊の暴風軍団は、素行が悪く、次から次へと人や動物を射殺しており、地元民に恐れられている。 そしてまた、食糧難の中、食べ物欲しさに国境を超えた人が命を落とした。 (参考記事:「気絶、失禁する人が ...