北朝鮮の主要都市には「第1中学校」という名称の学校がある。1984年7月の「全国教育イルクン(幹部)熱誠者大会」で英才教育の推進を打ち出した故金正日総書記が、同年9月から翌年にかけて作らせたエリート校だ。昔の日本で言えば「ナンバースクール」である。 そのうちのひとつ、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の第1中学校を舞台に、昨年12月から中央党(朝鮮労働党中央委員会)の検閲(監査)が行われている。入試を巡る不正を暴くためだ。 北朝鮮では近年、名門校を舞台にした様々な不正の発覚が相次い ...

韓国の民放テレビSBSは22日、「去る日曜日、徐旭(ソ・ウク)国防相と姜恩瑚(カン・ウノ)防衛事業庁長がこの問題について協議したことが確認されたのですが、1兆5000億ウォン(約1410億円)の分担金を政府と開発会社である韓国航空宇宙産業(KAI)が一定比率で分けて負担することを検討しもようです」と報じた。 何の話かと言うと、韓国の次期戦闘機KF-Xの開発事業に共同参画しているインドネシアが分担金の未納を続けており、しびれを切らした韓国側が単独開発に舵を切ったということだ。 ...

北朝鮮北部の貿易都市、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)では昨年8月と11月、市の封鎖令(ロックダウン)が下された。3週間にわたって外出や物資の移動が禁じられたが、食糧の備蓄などその準備をする時間がほとんど与えられず、飢えを伴うステイホームを強いられた。 韓国デイリーNKはその様子について、ある恵山市民の証言を得ている。 封鎖は、国家が新型コロナウイルス流入防止のため国境を封鎖したにもかかわらず、違法な越境が絶えないとの理由で実施された。しかし、国家が命じた無茶な封鎖令は、 ...

岡田更生館事件をご存知だろうか。終戦直後、戦災孤児やホームレスを大々的に受け入れ、模範施設と讃えられていた岡山県の岡田更生館。ところが、収容された人々は不衛生な施設でまともに食事を与えられないまま、強制労働に苦しめられていた。逃走を図ったり反抗したりした者には暴力がふるわれ、次々に死に追いやられたという恐るべき事件だ。 同様の事件は韓国でも起きている。釜山の兄弟福祉院は、3000人もの孤児やホームレスを劣悪な環境で収容し、1975年から1987年までの12年で513人を死に至 ...

北朝鮮の最高人民会議常任委員会は昨年12月4日の第14期第12回総会で、「反動的思想・文化排撃法」を採択した。名前だけ見ても、韓流はじめ海外情報の流入を厳しく取り締まるためのものであることがわかる。 だが、韓国デイリーNKが入手した同法の説明資料により、想像以上に過激な内容であることがわかった。 例えば同法27条については、次のように説明されている。 「南朝鮮の映画、録画物、編集物、図書、歌、図画、写真などを直接見たり聞いたり保管したりした者は5年以上15年以下の労働教化刑( ...

各地から感染拡大を疑わせるような情報が届いているが、国内での新型コロナウイルス感染者の発生を公式に認めていない北朝鮮。 当局は、先月1日から来月20日までの50日間の予定で、「超特級非常防疫措置」を行い、国民生活に様々な制限を加えている。もし本当に感染者がいないのならば、ここまでする必要はないように思えるが、医療インフラが極めて貧弱な北朝鮮で感染が広がれば、ひとたまりもなくやられ、体制の存続すら脅かされかねないのも事実だ。 (参考記事:北朝鮮が「超特級非常防疫措置」発動…移動 ...

北朝鮮で、大紅湍(テホンダン)と言われて、人々が思い浮かべるのはジャガイモだろう。 北朝鮮が大飢饉「苦難の行軍」の真っ只中にあった1990年代後半、故金正日総書記がこの地域のジャガイモ栽培を進めた。。この「ジャガイモ革命」は成功を収め、大紅湍はジャガイモの名産地として知られるようになった。 (関連記事:北朝鮮「ジャガイモ革命」が成功しすぎて処分に困る) 名前こそ知れ渡っているものの、山奥でインフラも整っておらず、冬は極寒となる僻地だ。あまりの生活環境の悪さに、国の命令を受けて ...

韓国で、軍の軽空母導入の是非を巡る論争が熱を帯びている。 中央日報は19日、「韓国は1隻もないが…中国、3隻目の空母が年内進水か」と題した記事を掲載。本文の中に、韓国も導入を急ぐべき、とする主張は見当たらないが、タイトルだけ見れば同紙がそういった主張を持っているものと解釈できる。同紙の過去記事を見ても、海軍の軽空母導入を待ちわびているかのように見える。 対して、朝鮮日報は導入反対の論調を鮮明にしている。17日付の記事では、「この軽空母を巡る韓国軍の作戦上の所要が何なのか分から ...

北朝鮮は、現在に至るまで国内での新型コロナウイルス感染者の発生は「ゼロ」であるとしているが、都市の封鎖令(ロックダウン)は頻繁に発令している。 北朝鮮の新型コロナ対策は非常に極端だ。家族の中の誰かが感染の疑われる症状を見せると、それがコロナなのか、あるいは単なる風邪なのかも確認せず、一家全員が30日間にわたり隔離させられる。その間の食料や燃料は地元行政が手当てすることになっているが、その量は著しく少ないとされる。隔離生活の苦しさに耐えかねて、自ら命を絶った人もいるという。 封 ...

自国に新型コロナウイルス感染者はいないと主張しつつも、極端とも言えるコロナ対策を続ける北朝鮮。国外からのウイルス流入を恐れ国境を閉鎖し、貿易を停止、都市封鎖令(ロックダウン)を乱発した。物価が高騰し、食糧など物資全体が不足に陥るなど、北朝鮮国民はコロナそのものより、コロナ対策に振り回されている。 (参考記事:コロナで外出禁止令、困窮の度合い増す北朝鮮国民) 「コロナ・パラノイア」に取り憑かれた北朝鮮当局は、エビデンスの有無を問わず、「やばそう」なものを次から次へと除去しようと ...

故金日成主席は1974年2月、朝鮮労働党中央委員会第5期第8次全員会議において、「古い社会の遺物」である税金制度を完全になくすことについて討議、決定することを指示した。それを受けて最高人民会議は同年3月、「税金制度を完全になくすことについて」との法令を発表し、4月1日に世界初の税金のない国になったことを宣言した。この日は「税金制度廃止の日」に定められている。 しかし、現実は異なる。インフラの使用料、募金などの名目で、法的根拠のない物品が税金と同様に、国民から頻繁に徴収されるこ ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は今年の元旦、経済制裁と新型コロナウイルス対策の国境封鎖=貿易停止で経済難の深まる北朝鮮で、強盗や窃盗が爆発的に増えていると伝えている。 RFAによれば、こうした犯罪が増えた理由は経済難のほかに、昨年10月10日の朝鮮労働党創建75周年に合わせて行われた恩赦で7000人の受刑者が釈放されたことがあるとしている。釈放された受刑者にはもともと貧しい家庭の出身者が多いため、家に帰っても仕事もない。また、折からの経済難で困窮に拍車がかかり、生 ...

「為民以天」――民を以って天と為す、というこの言葉は、「人民大衆中心のウリ(我々)式社会主義」を標榜してきた北朝鮮が、ずいぶん前に掲げていたモットーだ。金正恩総書記は12日に閉幕した朝鮮労働党第8回大会で、党のスローガンとして改めて打ち出した。 北朝鮮の政治経済が、本当に人民大衆中心で回っていくなら喜ばしいことだ。国家が人民の声に真摯に耳を傾ければ、深刻な人権侵害は改善に向かう。人民の声が政治に届くようになれば、ある程度の民主化が実現する。 その過程で、核問題の緊張も緩和が望 ...

金正恩総書記の「秘密資金」を運ぶ現金輸送車を、中国当局が押収したとの情報が出ている。 韓国紙・東亜日報記者で脱北者であるチュ・ソンハ氏は自身のブログで、大量の現金を積んだ北朝鮮の輸送車両が昨年9月、中国領内で押収されたと伝えている。 その現金の素性は、どのようなものか。 周知のとおり、北朝鮮は核・ミサイル開発に対する国際社会からの経済制裁を受けており、事実上の金融封鎖状態にある。多くの品目で貿易が禁じられ、国連加盟国は北朝鮮労働者の受け入れも出来ない。 それでも中朝間では、米 ...

今月5日から行われている北朝鮮最大の政治イベント、朝鮮労働党第8回大会に関しては今のところ、次のような点が注目されていると言える。 ・金正恩氏が総書記に就任した ・北朝鮮が核兵器開発をより強力に推進していくことが鮮明になった ・アメリカを最大の敵と呼び、敵視政策の撤回を迫った ・金与正氏が少なくとも肩書の上で降格された ・金正恩氏が経済制裁の失敗を率直に認めた いずれも深く分析する価値のある、興味深い要素だ。ただ筆者としてはさらに、次の点に興味をひかれた。金正恩氏は党中央第7 ...

北朝鮮の平壌で5日から行われている朝鮮労働党第8回大会で10日、党中央委員138人と委員候補111人が選挙され、続けて行われた党中央委員会第8期1回総会で、政治局常務委員会委員など権力中枢の指導機関メンバーを選出した。 その中で注目を集めているのは、金正恩氏の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の人事だ。政治局委員候補から外れており、肩書の上では降格と言える。党中央委員会部長の名簿にも名前がない。これまでのスピード出世を考えれば、肩透かしに近い結果と言える。 実際、北朝鮮 ...