北のミサイル潜水艦開発(中) 阻止に動いた日本

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ロシアから北朝鮮に「くず鉄」名目で輸入され、新型潜水艦の原型になった可能性が指摘されているゴルフ級弾道ミサイル潜水艦。その取引を日本のT社(本社=東京都杉並区)が仲介していた事実は1994年当時、日本のメディアでも大きく取り上げられた。きっかけとなったのは、米国の情報当局のリークを受けた米紙の報道である。

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北朝鮮が保有する旧式のロメオ級潜水艦。セイル上に金正恩氏の姿が見える

日本企業が北朝鮮と武器取引を行うことは、ココム(対共産圏輸出統制委員会)によって強く禁じられていた。しかし、それは自国からの輸出に限られ、仲介貿易に関する規定はなかった。一方、外国同士の武器取引の仲介を行うことは、外為法が禁じている。だがそれも、潜水艦が戦闘能力を備えている場合のことで、「くず鉄」なら違反にならない。

そこで焦点となったのが、潜水艦からミサイル発射装置や動力装置が取り外されているか、ということだった。