過激化するデモ、セウォル号の遺族たちは何に憤っているのか…「子供が消えた街」からのレポート
この間、韓国では真相解明のための特別法を巡って与野党の政争が続き、11月になってようやく成立。その一方、乗客を見殺しにしたイ・ジュンソク船長らに対しては、懲役36年などの一審判決が下っている。
しかし郭氏は「特別法も裁判も、どちらの動きも真相解明につながるものではない」と語る。
「事故の裏には、政府高官を巻き込む疑惑や謎が横たわっています。それも、ひとつやふたつではない。だからこそ特別法が必要なのですが、政争の中で実効性が弱められてしまった。船長らに対する裁判は、国民に対する目くらましのようなものです」
セウォル号沈没事故を巡る謎とは、どのようなものがあるのか。前掲書で列挙されたものの中から、一部だけ抜き出してみよう。