過激化するデモ、セウォル号の遺族たちは何に憤っているのか…「子供が消えた街」からのレポート
当局はまた、事故の当日には被疑者として警察署に留置すべき船長と船員らを、捜査幹部の自宅やホテルに泊めるという前代未聞の行動を取った。被疑者たちは、いくらでも口裏合わせが可能だったわけです。
さらに謎めいているのは、セウォル号が事故の際に国家情報院に直接連絡するマニュアルを備えていたことです。国情院はスパイやテロ事件を扱う諜報機関であり、船舶事故の救難体系とは無縁の存在。旅客船がそんな組織と連絡を取り合うなど普通なら考えられない。こんな事実が重なれば、人々が『陰謀』の存在を疑うのはむしろ当然でしょう」(郭氏)
遺族関係者「産経新聞はよくぞ書いた」
冒頭で郭氏も述べている通り、セウォル号沈没にまつわる疑惑は、いま初めて提起されているわけではない。遺族団体を支援する弁護士グループは昨年5月末、旅客船の運航管理や救難体制の不備、海運業界と政官の癒着、事故後の不透明な捜査過程など、約100項目にも及ぶ「疑惑リスト」を報告書にまとめている。