北朝鮮への人道支援が「毒」とならないために…ある脱北者の手記
また、家を失った被災者たちのための臨時収容施設を作り、集団給食を施すことで、実際に被災者に支援物資が行き渡るようにする方法も望ましい。セメントや重機などは、徹底的な監視を通じ、用途の確認をする他にない。
ただ、北朝鮮当局がこうした公開的な手続きを認める可能性は限りなく低い。透明性が保障されない限り、前述したように、支援物資が政治的な目的に利用され、当局のフトコロを温めるだけとなる。
過去、人道支援の名目で北朝鮮政府に送られた支援物資は、すべて金氏一族による政治的な「成果」として取り扱われてきた。今回、新たに人道支援を行うならば、被災者が支援物資を受け取る際に「金正恩将軍様万歳!」と叫ぶことがあってはならない。それを防げないのならば、支援するべきではない。