「中国人よ、早く来い」金正恩“作りすぎ観光ホテル”が待っている
北朝鮮の一般住民にとって、宿泊を伴う観光旅行は依然として高額な娯楽だ。ロシア人観光客の増加も期待されるが、絶対数は限られる。結果として、元山のリゾート施設も、白頭山観光の玄関口である三池淵も、その客室を埋められる唯一の存在は、中国人団体客ということになる。
(参考記事:「早く開けろ」金正恩を激怒させた”最新ホテル”の悲惨な話)
実際、新型コロナウイルス流行前の2018~2019年には、中国人観光客が平壌に押し寄せた。中国の大型連休ともなれば、外国人向けホテルは予約で埋まり、市内の観光名所には中国語を話す団体客の姿があふれた。「平壌のオーバーツーリズム」とさえ呼ばれた時期だった。
だが、中国人観光客の大量流入は、北朝鮮にとって外貨獲得の「福音」であると同時に、悩みの種でもある。
外国人との接触が増えれば、住民の間に外部情報が流入する危険性が高まる。近年、韓国ドラマや海外映像の視聴に対する取り締まりを強化してきた金正恩政権にとって、外国人との自由な交流は体制維持の観点から望ましいものではない。
つまり北朝鮮は、「中国人観光客には来てほしい。しかし来すぎても困る」という矛盾を抱えているのだ。
