政治犯収容所などでの拷問・性的暴行・公開処刑の恐怖
近年、連座制により収容される人数は減少していると調査委員会では把握している。しかし、家族の他の者の犯罪により家族全員が収容所に送られる例もいまだに存在する。このような集団的処罰は幹部クラスが少なくなく、厳罰に処することによって国民や社会の一部の階層に対する見せしめとすることを当局が考えていると思われる。
家族は、収容所送りはまぬがれたとしても、職場や大学からの排除など、厳しい報復にさらされることがしばしばである。
- ある証人は2007年に脱北した。その後、証人の両親が逮捕され、取調の後、証人の脱北に関与していなかったにもかかわらず、第15収容所に送られた。脱北の前に、この家族はすでに政治的疑念ありとされていた。日本から移住した朝鮮人だったからである。
- 2012年、国家安全保衛部は咸鏡北道会寧で、携帯電話、カメラ、小型ラジオを北朝鮮に密輸していたグループの大規模摘発を行った。しかし、このグループは北朝鮮で破壊活動を計画していたことに仕立てられた。国営放送は密輸人の一人じョン・・ヨンチョルが金日成と金正日の体制打倒のための団体を作っていたことを自白し、北朝鮮政府を倒すまでは「死ねない」と語っている様子を放送した。密輸容疑者の家族を含めた推定90人が逮捕され、政治犯収容所に送られたと見られている。
チョン氏は処刑された模様である。
- 2013年12月に執行された金正恩の義理の叔父、張成沢の処刑後、保安当局は親族を逮捕し政治犯収容所に送ったと見方がある。