【対北情報戦の内幕-18-】「日本初の特殊部隊を創設せよ」特命は海保の若手幹部に下された
連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/海上保安庁編(3)
彼に託されたのは、原発用のMOX燃料輸送船を警備する特殊部隊を創設するという、前代未聞のミッションだった。
「武装兵士の護衛を」
日本政府は1984年、プルサーマル発電に使用するMOX燃料をフランスから初めて輸送した。この際、プルトニウム型核兵器の原料にもなるMOX燃料がテロリストに奪取されることを恐れた米・仏海軍は、輸送船「晴新丸」に駆逐艦を随伴させて警備したと言われる。