直撃肉声レポート…北朝鮮「工作員」関西弁でかく語りき

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警視庁公安部が昨年12月、朝鮮大学校(東京・小平市)の元男性教員を詐欺容疑で逮捕。「北朝鮮の工作員だった」と発表した。近年において同種のケースは、2003年にも警視庁が、2012年には大阪府警が摘発している。これらのうち、2012年の事件では、ジャーナリストの李策氏が「北朝鮮の工作員」とされた男性を直接インタビューしている。以下は、「工作員」の肉声を込めたレポートである。

「久しぶりやな。いきなりでビックリしたで」

2013年2月のある日曜日の朝、突然の訪問だったにもかかわらず、男は愛想よく言って握手を求めてきた。会うのは12年ぶりだが、闊達さは昔と変わらない。促されるまま、近所の喫茶店に向かった。

「あんまり長い時間、付き合うことはでけへんぞ」

そんな物言いとは裏腹に、男は数時間にわたり、私の取材に付き合ってくれた。口は重く、受け答えはあくまで慎重である。しかし、断片的に語られた言葉の裏付け取材を通して見えてきたのは、北の情報工作の前で迷走する、日本のカウンター・インテリジェンスの現状だった。

3年間の共同生活

その男を、ここでは仮にYと呼ぶことにする。Yは1970年生まれで、私の朝鮮大学校(東京都小平市)時代の、同じ学部のひとつ上の先輩である。