【実録 北朝鮮ヤクザの世界】28歳で頂点に立った伝説の男

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彼らは「パッキ派(車輪派)」「カマギ派(カラス派)」「ケスンニャンイ派(朝鮮狼派)」「ケントル派(悪党派)」「カルメギ派(カモメ派)」などと名乗り暗躍していた。

しかし1992年、金正日総書記は「非社会主義検閲団」という組織を派遣して一斉検挙を行い、北朝鮮のヤクザは完全に壊滅させられてしまう。

北朝鮮ではヤクザのことを「チュモクセゲ」、直訳すると「拳の世界」という。非常にわかりやすいネーミングだ。本レポートの主人公、ソク・ギョンチョルのイメージにもピタリとはまる。彼が率いたグループは、愚連隊から出発し、200人規模のヤクザ組織に発展していったケースだった。

その一方、国家機関と「紳士協定」を結び――すなわち癒着しながら利権をシノギにするヤクザ組織も存在していた。