金正恩氏が反応、美女モデル写真

北朝鮮当局は、金正恩党委員長が昨年12月に行われた朝鮮労働党第5回党細胞委員長大会での演説で、「非社会主義的現象を根絶やしにせよ」と指示したことを受け、大々的な風紀取り締まりを行ってきた。

デイリーNKは南北首脳会談の直前に、両江道(リャンガンド)で幹部を集めて行われた政治講演会の内容を入手。そこでは、何が「非社会主義的現象」に当たるかについて、細かく説明されていた。さらに、デイリーNKジャパンのカン・ナレ記者が継続して取材に当たったところ、これと同様の内容が記録映画にまとめられ、幹部向けに上映されていたことがわかった。

北朝鮮国内の取材協力者によれば、そこにはプリントの入ったTシャツや、ミスカートを着けた北朝鮮女性の姿とともに、あるモノが映っていたという。「市場で売られている輸入衣料のパッケージが映像に収められていたそうです。どうやら、パッケージにプリントされた外国人女性の写真が問題だと言いたいらしい。特に下着類のパッケージ写真が『腐敗堕落している』ということのようです」(カン・ナレ記者)

しかし一部の報道によれば、北朝鮮当局は「喜び組」や特権階級の女性向けに「セクシーアンダーウェア」を大量に輸入しているとも指摘されている。(参考記事:ビキニを着て踊る喜び組、庶民は想像もできません

このようなダブルスタンダード(二重基準)が国民に知れたら、金正恩体制はどうなるのだろうか。北朝鮮の一般国民は今のところ、こうした権力層の腐敗ぶりを詳細には知らない。(関連記事:金正恩氏が大金をつぎ込む「喜び組」の過激アンダーウェアしかし韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使によれば、金正恩氏の叔父である張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が粛清されたのをきっかけに、北朝鮮の人々も、金王朝の内幕に気づき始めているとされる。とくに、金王朝の「美少女調達システム」の目的を知った親たちは、怒りと恐怖に震えているという。(参考記事:「あまり美人に育たないで」北朝鮮の親たちが娘の将来を案じる理由

金正恩氏はこの辺で、そのような秘密と二重基準こそが体制の危機を招くと悟り、国民に対しても、自由に海外文化を楽しむことを許してはどうか。(関連記事:金正恩氏が大金をつぎ込む「喜び組」の過激アンダーウェア