「何かがおかしい…」国のやり方を疑い始めた北朝鮮の人々
そんな折、人民委員会(市役所)は住民に対して「江原道(カンウォンド)の元山(ウォンサン)葛麻(カルマ)観光地区の建設工事に従事している労働者を支援するため、1世帯あたり15キロのトウモロコシを供出せよ」との指示を下した。
(参考記事:衛星は見ている…金正恩氏がミサイル施設をリゾートに作り替えている)怒った市民は洞事務所(末端の行政組織)に押しかけて激しく抗議した。それも「現場で働く家族や親戚に携帯電話で聞いたら、われわれが供出しただけのものを受け取っていないと言っていた。どこに消えたのか」などと言って具体的な例を挙げての抗議だった。
あまりの勢いに恐れをなしたのだろうか、当局は「300グラムから500グラムでいい」として、供出ノルマを大幅に減らした。成果を勝ち取った市民は次のように喜びの声を上げたという。