「急に変なこと言わないで!」金正恩氏、妹の猛反発にタジタジ

金正恩氏は7月以降、精力的に経済部門の視察を行っているが、李雪主(リ・ソルチュ)夫人が同行することはあっても、金与正氏の姿は見られなかった。それがここへ来て登場したのは、関係が改善した中国への礼遇を示すためであり、それはまた、金与正氏が兄からいかに期待をかけられているかの証左でもあると言える。

最近では、金正恩氏がいったん下した指示を、金与正氏が訂正させることもあると言われる。

韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)の6日付の記事によると、金正恩氏は5月下旬、今後は公式の場や文献である表現を使わないよう指示したが、金与正氏の反発に遭いたった4日で撤回したとのエピソードを紹介している。

その表現とは、「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」という言葉で、北朝鮮が韓国に対話を呼びかける際、頻繁に使われるものだ。記事によると、金正恩氏は「わが国にも華僑や日本出身者がいるのに、ウリミンジョクキリと言うと、そういった人々を排斥しているように思われかねない」として、使用禁止を指示したという。

単に外部の目を気にしてのことなのかもしれないが、もし金正恩氏が、「他民族の排斥は良くない」と少しでも考えていたのなら、それはそれで結構なことだ。結構なことではあるが、やや唐突な指示でもある。

韓国との対話が重要な局面に至っている今、このような表現は、北朝鮮の担当部門にとって重要な「武器」だ。それを取り上げようとする指示に、党宣伝扇動部に籍を置くとされる金与正氏が反発したとしてもおかしくはない。彼女は恐らく、「急にヘンなこと言わないで」とでも言って、兄に食って掛かったのであろう。

これが事実ならば、金与正氏の意見が兄の意思決定に強く影響した例はほかにもあるはずで、それが何であるかが実に気になる。

ちなみに、金正恩氏が妹を大事にしてきたことはかなり前から言われていた。

大事にし過ぎて、彼女の友人を大量に失踪させる「事件」まで起こしたほどだ。