北朝鮮の秘密警察幹部、スパイ容疑で逮捕…内部映像を国外に流出

もっとも読まれている記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面
この幹部は、20〜30代の知人に指示して、国内の内部資料や住民の思想や生活状態を伝える映像や写真を密かに撮影し、カネと引き換えに海外に売り払っていた疑いが持たれている。知人3人も協力者として逮捕され、現在取り調べを受けている。

この幹部の行為は刑法63条の祖国反逆罪、64条のスパイ罪などに当たる。最高刑は死刑だ。北朝鮮では、政治犯に対して連座制が適用され、本人のみならず家族や親戚も不利益を受ける。

管理所(政治犯収容所)、教化所(刑務所)など北朝鮮の刑事施設の環境は極めて劣悪で、収監された人は様々な暴力、性暴力、病気にさらされる。罪状次第では、完全統制区域に入れられ、一生をそこで終えることになる。

(参考記事:スパイ容疑で北朝鮮に逮捕された男性、変わり果てた姿で家族のもとへ

家族全員が収容所送りにされることを恐れた幹部の妻は保衛部を訪れ「今まで裏切り者と暮らしてきたのが恥ずかしい」と述べた上で、慌てて離婚の手続きに入った。また、「子どもたちも父親と縁を切らせる」として姓を母方の姓に変更する申請を裁判所に提出している。

北朝鮮では政治犯の配偶者は離婚することで連座制の適用を逃れることができるが、血の繋がった肉親は適用されてしまう。今のところ、子どもたちへのお咎めはない状態だが、今後どうなるかはわからない。