中国奥地で売られた「少女A」の前に現れた救世主

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当局は、続発する人身売買を、手をこまねいて見ているわけではない。人身売買に対しては処刑を含めた厳罰で対応しているが、人身売買そのものを禁止する法律は存在しないため、別の法律で処罰するしかない。例えば、2005年3月に咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)で、人身売買に加担し公開処刑された被告に適用されたのは、刑法290条(誘拐罪)、233条(非法国境出入罪)、246条(職権濫用罪)、104条(外国貨幣売買罪)だった。

(参考記事:【単独入手】北朝鮮の公開裁判の判決文全文

そして中国側の事情もある。中国の農村部からは都市への人口流出が続き、取り残された貧困層の男性には結婚相手がいない。そのため、女性の人身売買が横行するのだ。また、子どもの人身売買も横行しており、中国政府は対応しきれていない。

さらに、中朝両国が脱北者に対して厳罰を課していることも影響している。中国は脱北者を「経済的な不法越境者」と見ており、摘発し次第、北朝鮮に強制送還する。北朝鮮は、脱北者に対して暴力、拷問、収容所送りなどの様々な刑罰を課す。

人身売買の被害に遭い北朝鮮に強制送還されたチ・ヒョナさんは、保衛部(秘密警察)で「混血の子どもの出産は認めない」との理由で強制堕胎手術を受けさせられている。

(参考記事:米国務省が動画公開「机の上で麻酔なしに堕胎手術された」女性虐待の告発