朝鮮民主主義人民共和国における人権に関する国連調査委員会の報告(本文)
B. 差別
障がいを基にした差別も行われているが、この特定の問題には国家が取り組み始めたかもしれない兆候がみられる。
33 出身成分制度はかつて、個人が居住を許される場所はどこか、どのような住居を持つか、どのような職業を割り当てられるか、特に大学について実質的に学校に行けるか否か、どれくらいの量の食料を得られるか、そして誰と結婚するかを決定する、最も重要な要因であった。この制度に基づく伝統的な差別は近年、市場経済への移行が進展するとともに、また、外貨を含む金銭が、国民の経済的、社会的及び文化的権利を実現する能力に及ぼす影響によって複雑化している。同時に、基本的な公共サービスが崩壊しているか、もしくは実質的に有償化していることから、国民の中の大きな割合を占めている、資産もなく、有利な出身成分も持たない層はますます取り残されていると感じるとともに、新たな形態の差別を受けている。