北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も

韓国ソウルにある「北朝鮮人権情報センター」傘下の「北朝鮮人権記録保存所」は、脱北者約1万3000人を調査。26日に発表された調査結果で、北朝鮮内の拘禁施設の総計が約480ヶ所に及ぶことが明らかになった。
内訳は、「拘留場」と「労働鍛練隊」が210ヶ所、「教化所」が23ヶ所、「教養所」が5ヶ所、「集結所」が27ヶ所、「政治犯収容所」が6ヶ所だ。

性器の中まで…

資料によると、拘禁施設に収監された住民たちは暴力や強制労働に苦しめられているという。とりわけ女性の場合は、性的虐待を受ける場合もあり、深刻な人権弾圧が行われている。
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北朝鮮人権記録保存所は、「北朝鮮は拘禁施設を通じた住民統制の名目で、裁判なしに収監し強制労働を課している。拘禁施設では、無報酬の強制労働をさせられている反面、犯罪者の量刑も賄賂に左右されるなど、拝金主義が横行しているようだ」と指摘した。

穏城郡(オンソングン)の保衛部に受容された経験のある脱北者は「調査時には、保衛員が直接来て恫喝され、暴力によって足の爪が抜かれた」と暴力実態を明らかにした。
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性的暴行で妊娠

収監手続き時の身体検査では「女性は裸にされ、体のどこかに金を隠していないのか性器の中まで調べられる」と性的虐待が行われていることを証言。

1997年に吉州の「集結所」に収監されたある脱北者も「妊娠4ヶ月の23才の女性が強制労働させられ、その最中に流産してしまった」と言う。

施設内の環境は、非常に劣悪だとする。穏城拘留所にいた脱北者は「養豚場に拘留場が作られた。便所は部屋の中にあるので大勢が疫病にかかる。しかし、薬もなくまともな医療は施されない。施設は狭く、廊下までぎっしり人で埋まる」と証言した。

ワイロを受け取り…

1994年に平壌集結所に収監された別の脱北者は「賄い婦の女性が集結所の指導員に性的暴行を受け、二度の強制堕胎を強いられた」と告発した。

保衛部に取り調べを受けたことがある脱北者によると「行政府長に10万ウォンの賄賂を渡したら、刑期が終わらずに出ることができた」と話し、北朝鮮の司法にまで腐敗が蔓延しているということを告発した。

北朝鮮の「拘留場」は、犯罪容疑者に対する調査のために一時的に収監させる韓国や日本の警察署留置場にあたる。「集結所」は国境地帯の脱北者に対して強制労働を課す一種の臨時収容施設だ。「教養所」は、軽犯罪者を対象に集団的な労働教養をさせる所で正確な名称は「労働教養所」という。
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生きて出られない

さらに、刑が確定された者を拘禁して肉体労働と思想教育をする「教化所」と住民たちの逸脱行為に対する統制強化のための「労働鍛練隊(未確定者含む)」、そして一般拘禁施設とは性格と役割が異なる「政治犯管理所」がある。最悪の人権弾圧が行われている北朝鮮政治犯収容所は大きく二つに分類される。「完全統制区域」は、一度収監されれば二度と出所できない終身収容所だ。一定期間の強制労働を終え、自らの受刑期間が満了すれば釈放される「革命化区域」もある。