「まるで公開処刑が遠足のようだった」…北朝鮮「人権侵害」の実態(7)

● チョン・ヨンファ氏とキム・ジュイル氏は、10歳のときに最初の処刑を見た。どちらの場合も、教員は授業を中断して、子どもたちを処刑場所に連れて行った。 ● チョン・ヨンファ氏は、16歳のときに再び処刑を見た。工場責任者が、工場の業績不振に伴いスパイとして処刑された。恐ろしさを感じたし、誰でもがこのような処刑の犠牲者になり得ると考えた。 ● リ・ジェグン氏は、北朝鮮で過ごした30年間で少なくとも10回の公開処刑を目撃した。所属する作業班全員が処刑場所に連れて行かれた。そこには1000人ほどが集まっていた。ある男性は朝鮮労働党の幹部たちを批判したとして処刑された。リ氏は、処刑を見せることの目的を次のように語った。 「まるで遠足のように公開処刑場所に連れて行かれた。誰も、党への反対や金日成の思想への反対をしようとは思わなかった」

北朝鮮の行政システムは、国民に十分な食料を与え、幸福にするためにまともに機能してきたとは言い難い。しかし人間の心理を操り、体制を維持することにかけてはそうではなかったようだ。