「関係改善を台無しにする気か」北朝鮮、韓国での軍事動向を非難

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ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談を前に、北朝鮮が韓国での軍事動向に対する警戒感を露わにした。

北朝鮮は、これまでにもこの問題で韓国非難を繰り返しており、同国にとっては相当に重要な懸案となっていることがうかがえる。

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北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は25日、米韓が来月4日から韓国での合同軍事演習「19-1演習」の実施を予定していることに対し、「朝米関係と北南関係改善の流れに背ちする危険な動き」であるとする論評を掲載した。

「19-1演習」は従来、「キー・リゾルブ」の名称で行われていた合同指揮所演習だ。米韓は、毎年上半期に実施されていた大規模な合同野外機動訓練「フォールイーグル」の名称も今後は使わない方針とされる。

前者はコンピューターを使ったシミュレーションだが、「フォールイーグル」には米本土などからも大量の兵力と武器が動員される。慢性的な経済難の中にある北朝鮮にとっては、これが実施されるだけで脅威なのだ。

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ただ、「フォールイーグル」は数十の陸・海・空軍、海兵隊の合同訓練を総合して付けられた呼称であり、まとめてこの呼称を使う必要は必ずしもない。そこで米韓は北朝鮮を刺激しないよう、統一の呼称を使うことを避け、それぞれの合同訓練を粛々と行う方針にしたのだろう。

ところが、北朝鮮はそのようなやり方でお茶を濁されるつもりはないようだ。

論評は「表では情勢緩和と平和について唱え、裏では戦争装備を引き入れながら合同軍事演習を再開しようとするのは内外の懸念をかき立てる」と主張。続けて「対話と戦争演習、平和と軍事的敵対行為、関係改善と軍事的圧迫は決して両立しない」と強調した。

名称がなくなっても、合同演習が行われることに変わりはないではないか、との主張である。

この言い分は、北朝鮮軍の弱体化を考えれば理解できないものでもない。米国の要求に沿って非核化してしまえば、北朝鮮の軍事力はさらに弱まる。

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今後、北朝鮮の非核化を進展させるためには、こうした通常兵力のバランス面でも駆け引きが必要になるということだ。

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