【写真】玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…

韓国の国家情報院は13日、北朝鮮の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長が先月30日に公開銃殺されたと国会に報告した。報告によれば、銃殺には「高射銃」が用いられたと言う。

人体が「ミンチ」に

対空火器として使われる高射銃には様々な種類がある。今回言及されているのは、旧ソビエト連邦製のZPU-4であると思われる。

ZPU-4は、第2次世界大戦直後にソビエト連邦が設計した4連装の牽引式対空機関砲で、歩兵用に開発された口径14.5mmのKPV 重機関銃を対空用の銃架に搭載させる形で開発された。KPV重機関銃1丁当たりの最大連射速度は600発/分だが、ZPU-4の実際の連射速度は1丁当たり150発/分に制限されているとされる。

朝鮮戦争で初めて実戦投入され、ベトナム戦争においては米軍のヘリコプターにとって大きな脅威となった。2001年12月に発生した九州南西海域工作船事件において自沈した北朝鮮の工作船には、2連式のZPU-2が1基搭載されていた。

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使用される14.5×114mm弾は本来、対戦車ライフル用に開発されたもので、500メートルの距離から厚さ30ミリの均質圧延鋼板を貫通するという。

高射銃は、昨年10月に北朝鮮で行われた公開処刑でも使用されたと言われている。銃殺現場の衛星画像を分析した専門家によれば、その際に使用された高射銃は14.5mm口径の重機関銃4丁をひとつにまとめた「ZPU-4」であるとされる。

「粉々の人体」

(参考記事:北朝鮮の公開処刑、衛星写真で確認…アジアプレス報道と時期・場所が符合

14.5mm口径の銃弾は威力が大きく、通常は人間に対してよりも、軽装甲の車両やコンクリート塀などの遮蔽物を貫通・破壊するのに用いられる。
事情通は「1発でも当たれば、人体の一部が吹き飛ぶ。発射速度の速い機関銃で打てば、粉々になり原形をとどめないだろう」と話している。