北朝鮮で工場閉鎖の動き…制裁で景気悪化、製品売れず

国際社会の制裁が北朝鮮の経済をじわじわと苦しめつつある。各地の国営工場がその窮状を訴えているが、政府は一切手を差し伸べようとしていない。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、道内の国営工場から助けを求める声が上がっている。平城(ピョンソン)機械工場、平城木材工場をはじめとして、文徳(ムンドク)、粛川(スクチョン)、价川(ケチョン)、平原(ピョンウォン)の鉄製日用品工場、絹織工場などが最近、の地方工業管理局に資金支援を要請した。

これらの地域は、豊富に産出される石炭を原材料にした軽工業や流通業が盛んで、北朝鮮でもかなり裕福な地域だった。ところが、制裁で石炭が輸出できなくなり、地域経済は苦境に追い込まれ、昨年夏の時点で餓死者が発生するほどになっていた。

(参考記事:餓死、捨て子、孤立…北朝鮮きっての「金持ち地域」が没落

地域の軽工業の工場群は、地元の石炭と中国から輸入した原材料で製品を生産してきたが、それも制裁で輸入できなくなり、立ち行かなくなった。そこで地方政府に泣きついたが、返ってきた答えは「自力更生せよ」「艱苦奮闘せよ」というものだった。

その一方で、地方政府の内部ではこれら工場を閉鎖することを議論しているというのだ。

「3月中旬、道の地方工業管理局は経営危機に陥った一部の地方企業の閉鎖問題を討議した。関係者の間では『1年以内に新製品を売り出せず、経営に変化がない限りは正常化より閉鎖が現実的』との意見が飛び交っている」(情報筋)

これらの工場で生産される製品は、質が悪く競争力がない上に、制裁で懐が冷え切った庶民は、市場に行っても食品以外のものを買う余裕がないため、製品が売れなくなってしまった。

そのせいで、北朝鮮経済のなし崩し的な資本主義化を先導してきた市場でも、商人の数が急減する現象が現れているとされる。

(参考記事:北朝鮮の市場に異変「商人の数が激減している」

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