「制裁ですべてが足りない」北朝鮮国内から悲鳴…食糧危機の懸念

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農業機械や燃料が不足する北朝鮮で、田植えは都市住民を大量に動員し人海戦術で行われる。ところが、平原(ピョンウォン)、文徳(ムンドク)、肅川(スクチョン)などの穀倉地帯の協同農場では、今年は動員される人員が例年の半分にも満たないのではないかという懸念が広がっている。

農村支援に動員された人々は、食べ物を自分で準備していかなければならないことになっているが、その準備ができずに動員を避けようとする人が多いというのだ。

当局は、是が非でも都市住民を農村支援に引きずり出そうとしている。

平安南道の農村経理委員会の労働部は、各工場や企業所、学校が計画された農村支援労力を守ろうとしないため、非常対策委員会を作った。工場、企業所、学校に対して実態調査を行い、朝鮮労働党平安南道委員会が割り当てた数だけの人員を送り出せなければ、党や司法機関による処罰を行うという。

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しかし、今年の北朝鮮は制裁による経済難に加え、様々な政治イベント、建設工事への動員が頻繁に行われ、国民の間に不満が渦巻いていると言われている。当局も強硬な姿勢で通すのは難しいかもしれない。

人手不足に加え道内の一部地域では、肥料不足で稲の苗が発育不良に陥る現象が起きている。

「5月に田植えをするには、3月からビニール膜をかぶせた苗床で苗を育てるが、ビニール膜が不足したため、寒さにやられてきちんと育っていない」「肥料と堆肥が不足していることも、重要な原因の一つ」(情報筋)

文徳の協同農場からは、昨年も農業資材の不足を訴える声が上がっていたが、今年は昨年以上にひどいようだ。