北朝鮮版「上級国民」は極悪性犯罪スキャンダルでも大出世

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北朝鮮高官らの粛清説が波紋を呼んでいる。韓国紙・朝鮮日報は先月末、国務委員会の金革哲(キム・ヒョクチョル)対米特別代表が、平壌郊外の美林(ミリム)飛行場で銃殺されたと報じた。

一方、米CNNは4日、「事情に詳しい複数の関係者は3日までに、(金革哲氏が)拘束下で生存しているとの見方を示した」と伝えており、朝鮮日報の報道は真偽不明の状況だ。

今回の「粛清説」はさておき、北朝鮮では表舞台から姿を消したからといって、必ずしも処刑・粛清というわけではない。処刑が実行されていれば、生々しい目撃談が伝わってくるケースが少なくないが、今回はまだ、そうした情報が出ていない。

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また、金正恩氏が就任以来、力を注いでいる「ハコモノ行政」を支えてきた馬園春(マ・ウォンチュン)国務委員は2014年11月以降、公式の場から一時姿を消した。それから1年後の2015年12月、再度姿を現すのだが、その姿は見る影もないほどの激ヤセぶりだった。その後の情報を照らし合わせると馬氏は、どうやら「革命化」を受けていたようだ。革命化とは、一時的に地方の農場や工場へ送られ思想面での再教育を強いられる、ある種の島流しのような処分で、場合によっては復帰もあり得る。

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処刑説が流れている金革哲氏は、つい先日も姿を見かけたという情報もあることから、革命化すら受けていない可能性もある。

一方、革命化を受けてもしぶとく生き残っている幹部がいる。4月の最高人民会議で国務委員会1副委員長、ならびに最高人民会議常任委員長に任命された崔龍海(チェ・リョンヘ)氏だ。

父親が故金日成主席のパルチザン時代からの同志という名門出身だけに、少々の失態は大目に見てもらえる、いわば北朝鮮版「上級国民」とでもいうべき人物なのである。

しかしそれにしても、その行状はひどいの一言に尽きる。

同氏は自身の性欲を満たすため、若く美貌の女性にとんでもない性的虐待を働くなど、きわめて評判の悪い人物だ。女性問題、それもほとんど性犯罪とも言えるほどの変態性欲スキャンダルを起こした過去を持ち、失脚と復活を繰り返してきた札付きの極悪幹部なのである。

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韓国紙は、崔龍海氏が自分の別荘やホテルのスイートルームで幹部たちと乱交パーティーを開いたり、女性の閉じた両足に洋酒を注いで飲んだりという変態行為に及んだエピソードを紹介している。筆者は、同氏が一時期姿を消した時、平壌中枢に近いある情報筋が苦虫をかみつぶしたような表情で「また悪い癖を出して謹慎させられているようだ」と言うのを聞いたことがある。

北朝鮮では崔龍海氏のほかにも、同じような噂が囁かれた人物がいる。

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しかしそれにしても、崔龍海氏は先述のように、4月の最高人民会議で国内序列2位の地位まで出世してしまったのだから驚きである。