消えた金正恩の女性エリートと「ニオイ拷問」収容所

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そもそも朝鮮日報の報道は、北朝鮮消息筋の情報に頼りながら、独自の分析を欠いていた点でバランスが悪かった。金正恩氏は部下の「裏切り」や「怠慢」に対して厳罰を与えたことはあるが、「失敗」を理由に罰した例は確認されていない。これを踏まえていれば、金革哲氏の処刑説や女性2人が収容所送りになったとの情報を伝えることには、より慎重になったはずだ。

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北朝鮮内部の様子が、今よりはるかに探りにくかった金正日総書記の時代、北朝鮮ウォッチャーは様々な断片情報を、すでに確認された過去の事例と対照し、信ぴょう性を検討した。それでも100パーセントの確信は持てないから、重大な噂を知ってはいても、なかなか表には出せなかった。

ところが最近の北朝鮮は、当時と比べるとかなり開けっ広げになっている。そこには、金正日氏と金与正氏という、若い兄妹の感性が反映されているように思える。

とは言っても、北朝鮮が本当に重要な情報を出そうとせず、諸外国を惑わせる情報戦を続けていることに変わりはない。北朝鮮の動向を知るためには、金正恩氏が過去において、どのような状況でどのように行動したかを確認し、現在の事象と対照させることがなお重要なのだ。