文在寅は「変なことをしている」…金正恩氏、激怒しミサイル発射か

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信は26日、東海岸の元山(ウォンサン)から発射した2発の短距離ミサイル(新型戦術誘導兵器)について「威力示威射撃」として行ったことを明らかにした。

威力示威――つまりは意図的な軍事挑発であり、その対象は韓国である。同通信によれば、発射を現地で指導した金正恩党委員長は「南朝鮮の当局者らが世界の人々の前では『平和の握手』を演出して共同宣言や合意書のような文書をいじり、振り返っては最新攻撃型兵器の搬入と合同軍事演習の強行のような変なことをする二重的振る舞いを見せている」と述べたという。名指しこそ避けているが、「南朝鮮の当局者」とは文在寅大統領のことにほかならない。

北朝鮮はかねてから、韓国軍のステルス戦闘機導入や米韓軍が来月実施予定の合同演習に対する反発を強めていた。金正恩氏は、文在寅氏の「二枚舌」に相当、おかんむりということだろう。今回の発射は、それに対する対抗措置であるというわけだ。

だが、金正恩氏の狙いはそれだけだろうか。度重なる「新型戦術誘導兵器」の発射の裏には、韓国の態度を口実に、自国の防衛力を強化して置きたい意図が透けて見える。北朝鮮軍の混乱と弱体化は著しく、弾道ミサイルぐらいしか米韓と対峙するのに有効な兵器システムは見当たらない。

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その上、このタイプの短距離弾道ミサイルについては、すでにトランプ米大統領の「お墨付き」を得ている。トランプ氏は北朝鮮が同種のミサイルを発射した際、問題視しない姿勢を取ったが、今回もまったく同様である。

同氏は今月25日、FOXニュースに電話出演し、北朝鮮の短距離ミサイル発射に関し「核実験もしていないし、発射実験も小さなものしか行っていない。北朝鮮とはうまくやっている」と述べたのだ。

一方、日本政府は大いに問題視しているわけだが、今回の発射では2発とも飛距離が600キロを超えていたこともわかった。打ち方によっては、日本の領土にも届くということであり、問題の深刻さは深まったと言える。

こうなると、本来なら日韓で協調姿勢を取り、米国に厳しい態度を取るよう要請すべきなのだが、かねてからの関係悪化でそれもままならない。情勢の間隙を縫い、金正恩氏は実に上手くやっていると言わざるを得ない。

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