「自らの破滅を招く愚策」北朝鮮、韓国の「核」待望論に警告

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日、韓国の一部で米国の戦術核兵器の国内再配備を求める声が出ていることについて「自分らの運命を破滅のどん底により深く陥れる愚策だ」とする論評を配信した。

韓国の保守政界などの一部では、北朝鮮の核の脅威に対抗するため、NATO(北大西洋条約機構)で行われている「核兵器シェアリング」などの手法を援用し、米国の戦術核兵器を国内に再配備するべきとの主張が出ている。

NATOでは現在、核兵器シェアリングとしてドイツ、ベルギー、トルコ、オランダ、イタリアの5ヵ国の米軍基地に約150~200個のB61戦術核爆弾が配備されており、有事には当該国の戦闘機で投下される。

核爆弾の所有権は米国にあるため、5ヵ国は核不拡散条約(NPT)には違反しない。核弾頭を作動可能な状態に切り替える「最終承認コード」は米国が管理し、実戦で使用する際には米国と当該国の首脳が承認しなければならない。だから結局のところ、使用権も米国が握ったままになるわけだが、それでも北朝鮮の間近に核を置くことで、核の先制使用を思いとどまらせることが出来るだろう、との主張があるわけだ。

これに対して論評は、「これは、なんとしても米国を刺激して朝鮮半島の平和プロセスを破たんさせ、南朝鮮に極度の安保不安と同族対決意識を鼓吹してみようとする腹黒い下心の発露である。(中略)情勢の悪化によって民衆が苦痛をなめようと、どうなろうと、宗主の安保環境にさらなる危険が生じようと、どうなろうと自分らが独断と専横をこととして思う存分のさばっていた過去の対決時代だけを開けばいいという犯罪的打算が潜んでいる」と非難している。

この中で面白いのは、「宗主の安保環境」云々に言及していることだ。米国が、いったんは韓国から撤去した戦術核兵器を再配備するようになったら、米朝・米中・米ロの安保環境は激変し、凄まじい葛藤と対立が生まれかねないことを指摘しているわけだ。

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確かにそんなことになったら、ただでさえ米中の板挟みに悩まされている韓国は、いっそう困難な立場に追い込まれかねない。北朝鮮はこのところ、文在寅政権を口汚く罵倒しながらも、韓国の不安な将来を鋭く予測した論評も出しており、中にはけっこう興味深い主張もあるのだ。

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