「自分を棚に上げ責任を転嫁するな」北朝鮮が文在寅政権を非難

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北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は2日、南北対話が膠着状態に陥っている責任を、韓国政府が北側に転嫁していると非難する論評を掲載した。米国との実務協議再開を目前に控えたタイミングだけに、その意図が注目される。

論評は「先日、統一部当局者は北南の対話が開かれないのが、まるでわれわれのためであるかのように言い触らした。南朝鮮国防部長官も、われわれの自衛的な国防力強化措置に言い掛かりをつけて、『北が緊張を高調』させているとの妄言を並べ立てた」と指摘。

そのうえで「北南関係が膠着状態に陥るようになった根本原因は一言で言って、南朝鮮当局の背信的行為にある」としながら、韓国政府が米韓合同軍事演習で「相手を脅かし、緊張をあおり立てる挑発行為を引き続き働きながら、『対話』と『信頼』についてうんぬんするのは、常識外れの欺瞞(ぎまん)行為である」と非難した。

さらに続けて、「自分のすべきことはせず、むしろ盗人猛々しく北南関係膠着の責任をわれわれに転嫁しようとずうずうしく振る舞っているのは、万人の驚愕をそそるだけである」と強調した。

内容的には、北朝鮮がこのところ一貫して主張してきたのと同様のものである。韓国の文在寅政権が、約束したはずの南北経済協力に踏み出さず、一方で米韓合同軍事演習を続けていることをなじっているわけだが、過去には文在寅大統領を「ほぼ名指し」してもっとヒドイ言い方をしていることを考えれば、非難の程度は低いと言えるかもしれない。

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このタイミングでこうした論評を出したのは、先月、トランプ米大統領と会談するなどして米朝の「仲介者」としての役割を捨てようとしない文在寅氏を、けん制するためかもしれない。北朝鮮はかねて、「(韓国の)仲介など必要ない」と言明している。

経済協力を実行し、米韓合同軍事演習を中止しない限りは、文在寅政権にはいかなる「得点」も与えない。おそらくはこれが、金正恩党委員長の韓国政府に対する立場だと思われる。

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