【写真】北朝鮮兵士が衝撃を受けた「水着美女」の衝撃写真

韓国当局は1980年代、水着姿の美人タレントらの「衝撃写真」を刷ったビラを前線の北朝鮮兵士めがけて散布し、脱走と亡命を促した。こうしたグラビアの類を「非社会主義的」だと排斥する北朝鮮社会では、決してお目にかかることの出来ないシロモノだ。洗練された韓国美女の水着写真を見た18、19歳の北朝鮮兵士が、どれほどの衝撃を受けたかは想像に難くない
(参考記事:【画像①】美人タレントの「衝撃写真」
(参考記事:【画像②】水着姿の「衝撃写真」

韓国側が北朝鮮兵士に向けて散布したビラは、美女たちの写真とともに「走れば5分!」「本物の自由と幸福がアナタを待っています」「一緒に暮らしましょう!」などと呼びかけている。

北朝鮮側も韓国人タレントの写真を盗用して同様のビラを撒いたが、説得力の違いは歴然だろう。

韓国と北朝鮮は朝鮮戦争(1950年~53年)の時以来、政府当局や民間団体がビラの散布合戦を繰り広げてきた。国連軍が朝鮮戦争において、北朝鮮と中国の共産陣営に対して散布したビラは1000種以上、計10億枚にも及ぶ。共産陣営側も負けじと大量のビラを配布し、朝鮮戦争は一部で「ビラ戦争(Leaflet War)」とも呼ばれたという。

1980年代、韓国当局が最前線の北朝鮮兵士に亡命を促すため散布したビラ
1980年代、韓国当局が最前線の北朝鮮兵士に亡命を促すため散布したビラ

この時期に双方が撒いたビラは、主に敵の残虐なイメージを強調するものだった。北朝鮮側は、住民を殺害する米軍兵士の姿をビラに描き、韓国側も北朝鮮軍と中国人民志願軍の兵士が住民を焼き殺し、食糧を略奪する姿を描いた。

また戦争の後半には双方とも、母国を離れて戦う国連軍兵士や中国軍兵士の士気を落とすべく、郷愁を誘う内容のビラも散布。北朝鮮側は投降した韓国軍将校が幸せに暮らしているかのような宣伝を行った。

朝鮮戦争が休戦となった後も、南北は自国の体制の優越性を誇り、あるいは相手側の「ひどさ」を強調する「ビラ」を飛ばし合った。北朝鮮が韓国に経済力で勝っていた1960年代から70年代にかけて、自国は「民衆中心の国」であり「医療費も要らず公害のない民衆が住み良い社会」であると宣伝し、金日成主席の偉大さをアピールしたビラは、一部の韓国国民に対してそれなりの説得力を持ったかもしれない。