国家安全保衛部――北朝鮮「秘密警察」の知られざる内幕

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去る6月、北朝鮮北部の両江道・某市に住むキム氏(仮名)が国家安全保衛部より「英雄称号」を授与されたと、現地の取材協力者が伝えてきた。褒賞として、テレビやオーディオ機器、冷蔵庫など家電一式が贈られたうえ、首都・平壌で居住する権利も得るなど国家から最大級の「配慮」を受けたという。

「英雄称号」とは、正式名称を「朝鮮民主主義共和国共和国英雄」といい、北朝鮮では最高の栄誉とされるものだ。通常、称号を授与された者には最上位の勲章「国旗勲章第一級」が同時に与えられ、給金(年金)の支給をはじめとする各種生活上の特典が生涯にわたって保証される。

正恩氏からの命令

キム氏は周囲の人々から、中国とのあいだで骨董品を売買する貿易商として知られていた。その一方、彼には北朝鮮の防諜機関・国家安全保衛部(以下、保衛部)のために働く「情報員」という裏の顔があったのだ。