北朝鮮で1990年代に淫乱小説が流行、金正日氏の趣向で
それを聞きつけたのか、平安北道(ピョンアンブクト)の鍾乳洞、龍門大窟(リョンムンテグル)、黄海南道(ファンヘナムド)の九月山(クウォルサン)など、全国各地の名勝の管理者が、先を争って岩や峰に性的な名前を付けた。そして、金正日氏がやって来ると、講師はわざわざ肉談混じりの説明を行った。最高指導者の意向が絶対である北朝鮮ならではの現象と言えよう。
金正日氏も大いに気に入ったようだ。彼は、2002年4月19日に訪れた龍門大窟で、男性器に見える男根石と、女性の胸に見える鐘乳石の説明をする講師のキム・ミョンオクさんの話を聞き、大声で笑い満足したという。話はそれだけにとどまらない。
彼女の説明を聞いて大爆笑した金正日氏は、キムさんに「お前は結婚しているのか」と尋ねた。キムさんは「まだ結婚していないが、好きな人はいる、この洞窟の管理人だ」と答えたところ、金正日氏は「それはよい、明日、結婚式をあげなさい」と返し、翌日には豪華料理を届けさせたという。それを受け取った両人は、家族を集めて結婚式をあげた。
国営出版社が先を争いエロ小説を出版
肉談の流行はさらに続いた。1998年、国営の金星青年出版社は北朝鮮初の肉談集「七宝山伝説集」を出版したのだ。堰を切ったように、各出版社が先を争って肉談集を出し始めた。2003年には芸術総合出版社が「金剛山無我の境」という淫乱小説を出すに至った。