泣き叫ぶ家族を白昼に連行…北朝鮮で「最も残酷な光景」

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通常、誰が密告したのかはわからないはずだが、今回はどうやら誰だかわかったようだ。地域住民は、その彼に対する激しい非難を始めた。

「同じ企業所に勤める同僚同士で気楽に酒を酌み交わす場だったのに、それを保衛部に密告するとはひどすぎる」

北朝鮮は、虐げられている人びとがお互いをかばい合いながら回っている。例えば、ある同僚の仕事上のミスを批判するように求められた場合には、あらかじめ口裏を合わせて、批判のレベルを調整する。自分が批判される側になった場合は、同じように調整してもらい、お上が求めることをしつつも、ひどいことにならないように骨抜きするのだ。

ところが、密告はそのような「社会の不文律」に大きく反する。

地域住民や同僚は、密告者の前では何も語らなくなる。いや、それ以前に関わり合いを最小限にして、「村八分」のような状態に追い込む。「自分も密告されるかもしれない」という恐怖からだ。そんな状態ではもはや暮らしていけないだろう。

かくして、密告する者も地獄に追い込まれる。これが、北朝鮮で日々起きていることだ。