「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶
結局、幹部8人は松林市の公設運動場で公開銃殺されることになった。多くの市民が見守る中、刑場に8人の幹部が連行されてきた。目隠しをされた上にひどい拷問を受けたせいかまともに歩けない様子だった。
中央裁判所の裁判官が現れ、「党の唯一指導体制に反して国の物資を外国に売り渡した国家反逆罪」で8人に対して死刑を宣告した。それを聞いていた住民たちの間から「私腹を肥やすためじゃなかったのに銃殺はひどすぎる」とのささやきが漏れた。
8人は柱に縛りつけられたまま、自動小銃で数十発の銃弾を浴びた。驚きと恐怖のあまり、誰も何も話そうとしなかった。運動場は静寂に包まれた。銃声の残響がやむと住民たちがあちらこちらで「銃殺なんてひどいじゃないか」と騒ぎ出した。
抗議の女性をその場で…
ちょうどその時、ある中年女性がマイクの前に立った。長年、金日成氏の看護師を務め引退後は故郷の松林で暮らしていた有名人だった。「どうせ死刑を正当化するんだろう」。人々のそんな予想を彼女は覆し、驚くべきことを言い出した。